● 福島達也の理事長コラム ● |
第94号 選挙が終わって |
選挙が終わった。さすがの国民も二度はだまされなかったようだ。 公約がどんなにすばらしくても、実際にできないことを並べ立てても、野党時代ならそれでもよいが、政権を握って実現しなかったら唯の嘘つきに過ぎない。しかも、ビジョンのない社会的弱者へのバラマキだけでは、その時はよいが、将来の日本に不安を感じてしまうはずだ。 社会的弱者といえば、生活保護という制度があるが、この申請で実際の状況を偽る人が後を絶たないらしい。さらに、それを助長するようなNPOまで現れて、まじめなNPOに迷惑をかけている。 離婚しただけで、職を失っただけで、病気になっただけで生活保護の申請をする人が増え、景気も給料もどんどん下がるが、生活保護世帯数だけはウナギ登り。今や百万世帯を突破し、このままでは二百万世帯を超える勢いだ。国民の十人に一人は生活保護という時代になりそうだ。虚偽申請が横行すると、本当に生活保護が必要な人まで疑われそうで怖い。 生活保護がこれだけ増えるのにも理由がある。それは最低賃金で働くよりも生活保護を受けたほうがもらうお金が高くなってしまうことがあるからだろう。東京都で見ると、生活保護費が最も基準の高い都区部などでは、例えば最低賃金で普通に一ヶ月働いても、月給は生活保護費を下回ってしまう。さらに、国民年金を受けるよりも生活保護費のほうが高いという現象も起きている。 これでは勤労意欲が低下してもおかしくない。 自民党政権のときに七百兆円代だった国の借金が、今の政権になって九百兆円に達しようとしている。この選挙の結果、現政権は消費税論議よりもまたしてもバラマキに走るだろうから、千兆円を超えるのも時間の問題だ。 できれば次の政権には、勤労意欲がものすごく高まるような政策を打ち立ててほしい。日本はかつてアジアどころか世界経済のリーダーの時代があったことを覚えている人も多いだろう。もちろん、世界のリーダーは無理でも、せめて自信を持って日本人であることを誇れる時代が来てほしい。 特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也 (平成22年7月) |