福島達也理事長コラム
第93号 日本の政治はどうなるのか
 また内閣が変わった。どう考えても、最近の政治は無責任極まりない。昔の政治家と違って、今の政治家は「この国をこうしたい」とか「この政策を実現したい」という気持ちで政治家を目指すのではなく、ほとんどの場合、「現在の生活では不安」「何かびっくりさせたい」「目立ちたい」という、ただ政治家になりたいだけの集団である。

 それは15年前くらいからそうなのだが、それよりも心配なのは、総理大臣になるのも同じような気持ちの人が多いことだ。特に多いのは「政治家になったのだから一度は総理になってみたい」という興味本位でなることだ。だから、辞めるのも実に早い。一度総理になれば「元首相」となり、歴史の教科書にもちゃんと載る。長くやっても短くても同じだ。ここ20年間で16人の総理大臣が誕生したのはまさにそんな無責任の気持ちの表れだ。こんな国は世界どこを探してもない。

 今度の総理大臣もそうなる可能性が高いのではないだろうか。ぜひ、無責任に辞めることだけはして欲しくない。先ず最優先は景気対策、つまり経済政策だ。福祉も教育も経済に不安があれば何をやっても駄目だ。すべての政治は経済から始まることをぜひ知って欲しい。

 そのためにも、「法人税減税」が経済復興の切り札なのだから、そこから始めて欲しい。日本経済が安定してから「子育て手当」も「福祉の見直し」も「高速道路」も「農業対策」もやればよいのだ。他の国に比べて20%も高い法人税を下げて、そのために消費税や環境税などに手を入れ、景気を回復させて欲しい。バブル経済を批判する人は多いが、福祉などはまさに経済成長に支えられているのだから。

 NPOの草分けと言われている総理大臣だから、NPO政策についてもすぐに何か変えたいのだろうが、今は景気最優先と思ってしばらくNPO政策は後回しになってもよいのではないか。総理が密かに狙っている「新しい公共」もよいが、それは企業がしっかりしていることが前提だ。企業も国民も疲弊しているときに、「さあ新しい公共の考え方で国を変えよう」といわれても誰もピンと来ないだろう。

 まず、世界の人が憧れる国であった日本に戻してもらいたい。スポーツは無理でも経済だけは・・・。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成22年6月)

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