福島達也理事長コラム
第82号 総会あれこれ
 
 今年も当団体の総会が無事に終了した。といっても、参加者は例年通り1割で残りの半分が委任状という状態だ。例年セミナーと抱き合わせにしているが、それでもそれほど集客には変わりはない。何とか盛り上がる方法はないものかと、どこかの株主総会を意識してカフェバーを貸し切ってやった年もあったが、お酒を前にまじめな話をするのもつらかった・・・

 そんな中、朗報もある。昨年の12月から公益法人関連法が変わり、総会は電磁的方法、つまりメールやFAXで表決することができるようになり、NPO法人もその恩恵を受けられることになった。だから、定款変更をすれば、一同に集まらなくても、チャットでも何でも、総会にバーチャルで参加できるのだ。

 ただ、この方法を悪用して、総会の日程を夜中の3時くらいから佐渡島あたりで始まる事にする団体が出てこないか心配だ。誰も来れないことをいいことに、すべてメール等で開催して経費を浮かす、せこい法人が出てくるかもしれない。まあ、冗談だが。

 そうそう、今度は理事会だが、同じ法律にはこんな面白い条文もある。
「理事が提案した議案に対して、理事の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をし、さらに監事が異議を述べないときは、理事会の決議があったものとみなす」というもの。俗に言う「理事会の決議の省略」だ。
これもNPO法人に適用可能となりそうだ。ただ、こちらは開催の日時も場所もいらないので、今後理事会という場がすべてバーチャルになる恐れがある。漢検の事件で「理事会等の形骸化」が問題視されたが、なんだかこれと逆行するようで、とても心配だ。

 自分たちの団体の役員が誰なのかわからないという団体も出てきそうだ。そうなると、理事や監事が亡くなっていても、遺族がメールを返してくればわからないという事態も考えられる。

 まあ、年金と違ってそれで得をすることはないのだが・・・・いやまてよ、バーチャルだけど、役員報酬が出ていたらどうなるだろう。
 故人が献金を出し続けていた政治団体もあることだし油断できない・・・。




特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成21年7月)

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