● 福島達也の理事長コラム ● |
公益法人制度の浸透はいかに |
昨年の12月に新公益法人制度が施行されたが、その12月だけで新たに一般社団法人が243法人、一般財団法人が45法人設立された。 まるで全盛期のNPO法人のように、ものすごいブームを予感させる。 しかし、これには訳があって、12月を手ぐすねひいて待っていた団体がほとんどだろうから、通常の半年分くらいの数ではないだろうか。だから、1月以降は数も減っているだろう。とはいっても、それでもかなりの数の団体が法人化するのは間違いない。 逆にNPO法人の設立数は年々減ってきている。ブームが去ったというよりも、こうした新しい法人に方針を変える団体が多いのだろう。なぜなら、NPO法人は、設立するまでと設立してからの手続きがとにかく面倒であるが、一般社団法人等は、監督官庁がないから、許認可も、報告や届出もなく、設立もいたって簡単である。それなのに、社団法人とか、財団法人という名称がつくし、税金の面でもNPO法人とほとんど同じく、収益事業課税が選択できるのだ。そう考えると、ブームが来てもおかしくはない。 ちなみに、その一つ上の、公益社団法人や公益財団法人は、まだまだ少ない。 内閣府の第三者機関である公益認定等委員会は、3月13日、初の公益認定に関する答申を行い、「サトー国際奨学財団」「公益法人協会」「ヤマハ発動機スポーツ振興財団」の3つの財団法人の公益認定と「日本商事仲裁協会」「日本鍛圧機械工業会」2つの社団法人の一般認可を行い、その後も少しずつ増えている。 しかし、こちらは、認定NPO法人を上回る、寄付税制をはじめとする手厚い税制優遇があるとはいえ、手続きがとにかく面倒だし、規制もかなり厳しい。 知恵の働く団体は、むしろ、公益法人よりも一般法人を選択して、活動は自由に行い、税制はきちんとメリットを享受する方向に進むだろう。 とにかく、当団体にとっても、しばらくは、どの法人格がベストな選択なのか、その相談が増えるであろう。 特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也 (平成21年4月) |