福島達也理事長コラム
第78号 決算で想うこと
 
 いよいよ3月。多くのNPO法人もこの月が決算月であろう。もっとも、私はアドバイスするときに、行政の仕事をしていない場合は、3月決算にする必要はないし、なるべく違う月にしたほうが、税理士に依頼する時も、やりやすいということを話しているので、最近は3月決算も少し減っているのかもしれないが。
 
 さて、決算で感じることは、税金のことである。多くのNPO法人は、自分たちが公益的な仕事をしているのだから、税金なんて払う必要がないと思っている場合が多い。
 
 しかし、NPO法人であっても公益法人であっても、消費税は払うことになるし、収益事業をしていれば法人税だって当然払うことになるのだ。
 
 消費税のことを理解している団体はほとんどない。もっとも、事業収入が1千万円を超えない団体には関係ないが、最近は超える団体もかなり出てきているので、注意が必要だ。
 
 また、収益事業についても、物品販売だけが収益事業ではない。誰かから仕事を請け負ったら、それは完全に収益事業なのだ。それが行政であっても、学校であっても、会社であっても、仕事を受けたら、請負業となる。契約書の有無は全く関係ない。契約書があれば、もちろん、請負契約書のはずだから当然なのだが、なくても、「この仕事をやってください」と頼まれたら、請負業だという認識をもってほしい。
 
 そう考えると、ほとんどのNPO法人に税務申告の可能性が出てくる。なので、絶対に収益事業でないという判断は、自分たちではせずに、必ず税務署に相談するとよい。その場合、電話ではダメだ。事業のわかる書類や通帳や伝票を持参して相談すべきである。そこまでしてそれでも、収益事業はないと判断されたら、その日時、相手の名前を控えておくこと。それくらいやらなければ、税務申告からは逃れられないと思って欲しい。

 なんでこんなことを言うかというと、NPO法人の政務調査が今年から増えるという情報を耳にしたからだ。もうすでに始まっているところもある。2千万円も追徴課税を払わされた団体もあるらしい。

 自分たちがそうなる前に、きちんとやるべきことはやろう。





特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成21年3月)

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