● 福島達也の理事長コラム ● |
第73号 シニアNPOの時代 |
私たちの足立区の委託事業(団塊世代の地域回帰推進事業)もいよいよ大詰めを迎えよう としている。 いろいろなことに興味を持ち、何かにチャレンジしようとする諸先輩を見ていると、羨ましささえ 感じてしまう。自分もその年齢になったときに、何を考え、何をしようとするだろうかと、仕事以外 に何もしていない自分のことになるとまるで自信がない。 確かに、シニアになるまでに、シニアになってからの生活を思い描く人は意外に少ないのでは ないだろうか。 中には、退職したらあれをやりたいとか、こういうことにチャレンジしたいと決めている人もいるだ ろうが、今回わかったことは、それは実に簡単に実現できる夢であって、残りの10万時間の生活 を網羅するものではないということだ。旅行であったり、料理であったり、すぐに実現してしまうからだ。 定年した人に聞いたことがあるが、最初の3ヶ月は、旅行、美術館、イベント、趣味などなど、やる ことがたくさんあって、夢のような生活だと感じたらしいが、3カ月を過ぎるとだんだんやることがなく なってきて、1年後にはほぼすべて実現してしまったらしい。 そのあとはただただ虚無感が襲ってくるだけだという。奥様に依存して、まさに「濡れ落ち葉族」に なるのだという。 それは奥様にとっても悲劇だろうから、やはり、長い期間楽しめるものを見つけるべきだろう。それに うってつけなのが、NPO(市民活動)ではないだろうか? 今更、会社に再就職して、「利益」「利益」に追われていくよりも、楽しさや喜び、感謝というお金に変 えられないものを追求して、残りの人生を費やすは素敵なことだ。 感謝と喜びにより心を豊かにし、仲間を増やすこうした市民活動は、自分の人生を振り返ったときに、 決して後悔することはないはずだ。会社よりも楽しくなって生き生きとしている人が多いのも特徴的だ。 シニアのみならず、若い世代の方にも、ぜひ、地域の様々な活動をしているNPOに協力し、自分探し をしておいてほしい。 特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也 (平成20年10月) |