福島達也理事長コラム
第64号 今年起こる非営利セクターの再編成を考察する
 新年、明けましておめでとうございます。
平成20年、いよいよNPO法の改正の年です。そして、新しい公益法人制度がスタートする年でもあります。非営利セクターの新たなる再編成の年といっても過言ではないでしょう。

 そして、税制も動きます。来年度の税制改正に関しては、昨年の12月13日に与党税制改正大綱が決定されていますが、残念ながらNPO法人に関して大綱で示されたのは、認定NPO法人制度についてだけです。

 内容は、認定の有効期間を5年(現行2年)に延長し、パブリック・サポート・テストの実績判定期間も5年の合算で5分の1以上とするということで、あまりにも少なすぎる認定NPO法人の制度に関しては、年々改善の方向となっています。

 それでも、NPO法人というのは有給の職員がほとんどいない割に、専門家に代行をお願いするほどお金に余裕がないので、どんなに法律を改正しても急増することは考えられません。

こうなったら、行政側が勝手に調べて、勝手に認定を与えてあげるしか方法はないと思っているのは私だけでしょうか。

 なお、与党案はこれだけですが、民主党案も気になります。というのは、いつもだったら民主党案などは廃案になるのが関の山なので、誰も見向きもしないのですが、今年は違います。ねじれ国会ですから、こっちのほうが立場は上かもしれません。その、気になる民主党案には、NPO法人にとって願ってもやまない大きな改善が盛り込まれています。

 それは、所得税の寄付優遇税制に「税額控除」を創設することです。主として公益を担う一定範囲の団体(事業を含む)等から、納税者が選択した対象に寄付を行った場合、所得税額の5%を上限に税額控除できる制度を創設し、「総所得の40%」を上限とする所得控除制度との選択制とするというのです。

 寄付金の優遇制度については、今年から新しくなる公益社団・財団法人に自動的に付与されることになっているので、NPO法人側としてもぜひ勝ち取りたい内容です。

うーん、最終的にどういう法律になるのでしょうか。今年の国会からは目が離せませんよ!


特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成20年1月)

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