● 福島達也の理事長コラム ● |
第59号 「特定非営利活動法人制度の見直し」でNPOはどう変わる? |
6月末に「特定非営利活動法人制度の見直しに向けて」と題する最終報告が提出された。 この報告書では、NPOは各分野で公共サービスの新たな担い手として多様化する社会のニーズや課題にきめ細かく機動的に対応していると評価している。もちろん、評価に値するNPOもあるが、休眠団体が依然として半数近くに及ぶという現状を考えると、評価に値しないNPOの方がどう考えても多いのだから、もっと厳しく制度の見直しをして欲しい。 基本的な考え方として、「行政の関与の抑制」「柔軟な法人運営の確保」「法人の自律性の向上」「情報公開の促進」「わかりやすい法人名称」などを課題としてあげているが、それは確かに見直しして欲しい部分だ。ただ、どう考えてもおかしい内容も含まれている。 例えば、「定款変更は所轄庁への届出だけで変更できるようにすべき」という点だ。認証事項を減らして簡素化することが適当ということだが、最初だけ認証されやすい内容にして、認証されたらどんどん変更して何でもできるようになってもよいのか?のどもと過ぎれば・・・というようなものにするのなら、最初の認証などはまったく意味がない。 ただ、申請書類の軽微な記載ミスや役員の変更などを縦覧・審査期間中にでも修正できるようにというのは同感である。これは法を犯すようなものではないのだから、認証が出た後でも登記する前に直せるようにしたほうがよい。 今回の報告書で特に納得したのは、「法令違反等のおそれがある場合、所轄庁は広く公表する」「事業報告未提出の場合は2年でも取消しが可能にする」という部分。 いい加減な団体によってNPOの評価は下がる一方なのだから、きちんとした活動をして自力でがんばっている団体だけが残り、そうでない団体は、この舞台から自動的に降りてもらいたいと思う。 とにかく、NPOの健全化と自立化が今後のカギを握るのであって、それを誰がどのようにサポートするのかがまったく議論されていない。早く気づいて欲しい・・・。 特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也 (平成19年8月) |