福島達也理事長コラム
第104号 久しぶりのNPO法改正
 6月9日、衆議院本会議において、「特定非営利活動促進法(NPO法)改正案」が、全会一致で可決された。まだ参議院が残っているが、可決は間違いないだろう。

 前回の法改正からかなり時間が経っているが、何とも感慨深い。

 もちろん、超党派の国会議員から成るNPO議員連盟の先生方には心から感謝したいが、これで何が変わるのか考えてみたい。

 主なNPO法改正案の内容は、活動分野に「観光の振興を図る活動」「農山漁村及び中山間地域の振興を図る活動」「都道府県・政令市の条例で定める活動」の3分野が追加されたこと、内閣府の認証事務をなくし、認証は主たる事務所の都道府県・政令市に移管すること、会計書類を「収支計算書」から「活動計算書」に名称変更すること、解散公告回数を削減し、届出事項を追加するなど認証の柔軟化・簡素化を行うことだが、やはり注目は内閣府の認証事務がなくなることだろう。

 内閣府の認証を得るためには、活動が全国に及ぶのではなく、ただ、事務所の場所が都道府県をまたがればよいのだが、国民の多くはそれを知らず、立派な団体が内閣府から認証を得ていると思っている。

 だから、内閣府認証のNPO法人の中には、実態は他の都道府県に家賃や給料を払っている職員がいないまま、他県に事務所登記をして内閣府の認証を得ているところもあるのだ。その結果、犯罪等で摘発される悪徳NPO法人はほとんど内閣府認証であることは有名な話である。

 でも、これで内閣府の認証事務がなくなるので、その手は使えない。これはとてもよいことだと思う。ただ、内閣府認証NPOのほとんどは東京都認証に移行するだろうから、都庁の職員が過労で倒れないことを願うばかりだ・・・。

 とにかく国民も、NPOと聞いただけで信用するのはやめよう。まずは、どんな活動をしているのか、実際に自分の目で見ることである。

 法改正によって、素晴らしい団体がたくさん出てくることを願いたい。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成23年4月)

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