第41号 行政による新NPO後方支援
 少子高齢化にますます拍車がかかる日本では、行政も今までの舵取りの方向を変えざるをえず、昨年の自立支援法の制定に始まり、介護保険制度や支援費制度の改正などが今後目白押しでやってくることになるだろう。また、さまざまな機関で従来の枠組みを超えた対応が求められている。
 そんな中、介護や子育て、雇用などの各分野においては、国や地方自治体の取組みには限界があり、個人や地域、さらにはNPO等にその期待がかかっている。
 そこで、厚生労働省では、今後の新しい取組みを行う際の参考となる事例を一般に周知させ、積極的に普及を図るために、NPO等が主体的に取り組んでいる社会保障に関する好事例を募集しているのだ。
 補助金を出したり、事業を委託したりというものではないが、その積極的な取り組みを厚生労働省のホームページ等で公表するという。まさに、無料で政府が広報してくれるシステムである。
 なぜそこまでしてと思う人がいるかもしれないが、そうしたNPO等の独自の取組みには行政が考えもしなかったような斬新なアイデアや手法があり、次の時代の息吹を感じる新しい動きや萌芽と感じているようなのだ。
 だから、遠慮せず、たくさんのNPOに応募してもらいたい。募集は3月10日(金)まで。内容は「社会保障の新時代の波頭」をテーマとした、介護や子育て、雇用、保健医療など社会保障におけるサービスの提供や支援制度の実施、キャンペーン活動などである。該当する団体もかなり多いのではないだろうか。
 こうした行政の「広報支援」は、まさにNPOに今必要な「後方支援」なのかもしれない。積極的な活用を期待してやまない。
特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成18年2月)

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