第40号 どうなる公益法人制度改革
 いよいよ平成18年が幕を明けた。NPOやNGOにとっても大きな節目の一年になるであろう。それは、公益法人制度改革の新しい法律が制定されることと、国税庁認定NPO法人の基準が変わることだ。
 特に、公益法人制度改革は、先月、具体的な骨子が示されたのだが、その公益認定法人の要件に注目すべき内容が含まれていた。それは、公益的と政府が判断する事業が具体的にあげられていたことだ。たとえば「福祉の向上」「国民の健康の保護」「環境の保全」「公共の安全の確保」「文化の発展」などがそうである。
 これらの分野はNPO法人の特定分野と大して変わらない内容であるが、極めつけは「公正・自由な経済活動の機会の確保・促進」である。これはいったい何のことなのか。経済活動という表現は特定非営利活動促進法が改正されたときも、その中に入ってきたが、この分野の範囲が判然とせず、かなり現場に混乱をもたらしていることを知っているのだろうか。これは業界団体で構成する社団法人を救済するための表現と勘ぐられてもしょうがないのではないだろうか。
 そして、最後にその分野の終わりに「等」とあった。ということは、ここで挙げた分野はあくまでも一例で、その他どのような分野が該当するのかまだ決まっていないことになる。これで法律が制定されるとしたら、非常に不透明ではないだろうか。
 このあたりの議論は、今後の非営利法人の運命を決める重要なポイントであるのだから、誰からも文句の来ないようなきちっとしたガイドラインとして定める必要を感じる。そうでないと、都道府県に分かれる有識者の第三者機関がばらばらの判断になってしまうであろう。
 ぜひとも残り少ない法律制定までの間で、この点を再考してもらいたい。
 そして、全国で統一されたガイドラインを制定することを切に希望してやまない。
特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成18年1月)

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