第25号 NPOにチャンス到来!? 指定管理者制度

今まさに地方自治がガラリと変わろうとしている。そして、それがNPOにとってあまりにも大きな影響を及ぼそうとしているのだ。
今までは行政の保有する施設の管理は、公共団体や、公共団体が1/2以上出資する法人に限定されていたのだが、昨年地方自治法が改正され、NPOや株式会社を含む「指定管理者」が管理できるようになったのだ。さらに、施設の利用料も指定業者の収入とする制度となり、NPOが自立して、市民本位の行政施設運営に乗り出せる土壌ができたといっても過言ではないであろう。
しかも、これまでの「管理委託制度」は廃止され、現在、社会福祉協議会、事業団、公社・公団などに管理を委託している事業は、あと2年以内に、指定管理者制度に移行することを迫られることになる。そんなに先の話ではないのだ。
もちろん、税金でつくった施設で民間会社が「利益」をあげることができるという批判があるのも事実だが、今まで競争意識もまったく働かず、赤字垂れ流しで運営している施設も多く、今回の制度により,かなり税金の無駄遣いがなくなることは必至である。
まさに、NPOへのチャンス到来。進んでいる市町村では、行政の窓口さえもNPOが担当するようになり、駐車禁止の切符もNPOが切る時代が訪れようとしている。
だがしかし、喜んでばかりはいられない。この制度はNPO以外に株式会社なども参加できるという点に気をつけてほしい。仕事の奪い合いになると、株式会社はなりふり構わず、何でもやってくるであろう。かつて役所のパソコンの入札で1円入札があったことを忘れてはならない。
NPOは決して価格で争うことはあってはならない。市民の利用が増え、市民に喜ばれる施設の運営とはどのようなものか、赤字体質からの脱却はどうしたらよいのか、使い方や利用料など、これを機会にじっくりと考え直してほしい。

特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成16年10月)