第21号 認証留意点発表の背景 |
内閣府は5月28日に特定非営利活動促進法の規定及びその趣旨に対する留意点を発表した。その中身は、まず法人の目的等について、定款における記載内容が極めて抽象的であったり申請者独特の用語が使用されることから、目的を具体的かつ明確に記載するよう求めた。これは以前発表した「NPO法の運用方針」でも同様に述べられていたが、徹底されておらず再度の指導である。例えば中学生にでも、何をし何を目指す団体なのかがわかるような文章にすることが大事だ。
次に「社員資格の得喪に関して、不当な条件を付さない」の「不当な条件」について、一定の地位・資格を有することを必要としたり、高額な入会金の納入を必要としたりすることに対して、当該条件が付されている理由を合理的に推認できない場合は認証できないと断裁した。入会の条件をつけたがる団体が多く、そこには法の目をくぐろうとする意図が読み取れるということだろう。
また、収支予算書では、人件費や交通費などをすべて管理費として計上する団体が依然として見受けられることから、人件費や交通費であっても当該事業の実施のために直接要するものは、「事業費」として計上するように指導している。きちんと按分できない場合は、従事した時間数など一定の合理的な基準に沿って「事業費」と「管理費」に配分すれば、この問題は解決されるであろう。また、収益が生じるものをすべて「その他の事業」とする団体が多いので、17分野であって、不特定多数の利益に寄与する場合は、収益を生じるものであっても、特定非営利活動事業に該当すべきと指摘している。この辺は税理士先生でも知らない方が多く、注意を必要とする部分だ。
内閣府が認証の留意点を再三指摘している背景には、電子申請が始まり多くの団体が認証に程遠い状態で書類を提出している事が読み取れる。ガイドブックを丸写ししたり、他の団体の書類を見様見まねで作ることだけは絶対にやめよう。
特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成16年6月)