第18号 定款通りの運営

   総会、ちゃんと開いていますか?NPO法人を作りたい人たちは相変わらず増えていますが、皆さん本当にちゃんと運営しているのでしょうか?
以前、設立してすでに3年近く経過しているにもかかわらず、まだ一度も総会や理事会を開いていない団体が相談にやってきました。総会や理事会を開いてもいないのに、役員変更届や事業報告は不思議と提出していたりするのですから驚きです。
つまり、零細企業の経営感覚で、なんでも書類上処理すればことが足りると考えて、NPOを経営している人が結構いるのです。なんとも大胆な・・・・。
NPO法人は最低年1回社員総会という名の会員総会を開かなければなりません。そのためには理事会も開かなければ、総会に議案を付議できません。総会や理事会で何を議決するのかわかっていない団体が実に多いこと。みんな所轄庁が配っている「マニュアル・手引書」を丸写しにして定款を作成しているからです。定款はその団体の一番大事な法律であり、縛りとなります。定款に違反することはもちろんできません。あまりひどい場合は過料や認証取り消しに発展することは間違いないでしょう。
そこで提案です。年に1回は会員や役員向けに、定款や運営に関する勉強会を開催しましょう。定款に何が書いてあり、何をせねばならないか、すべての会員が理解できるようにしましょう。その際、NPO法(特定非営利活動促進法)も読み合わせましょう。たった50条の法律です。そんなに時間はかからないでしょう。条例や施行規則はもっと少ないので、すぐに理解できるはずです。法人運営を理解している団体は、所轄庁のホームページで「さらし者」や「お尋ね者」になることはないでしょう。
政府のIT戦略本部は先月、総会の議決が電子メールでもできるよう、法律を改正する決定をしました。ちゃんと総会を開いている団体にとっては、定足数をあまり気にしないで総会が開催できるので、かなり朗報ですね。もっとも、定款に沿った運営をしていない団体にとっては、それが何を意味するのかも理解できないかもしれませんが。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成16年3月)

http://www.iva.jp