第16号 NPO法の運用方針の改定

   新年明けましておめでとうございます。この会報をご覧の方からもたくさんの賀状をいただきましたこと、厚く御礼申し上げます。 さて昨年の暮れに内閣府は、5月1日から適用している「NPO法の運用方針」の2度目の改定に踏み切りました。10月の一部内容強化に続くものです。これは市民から情報が寄せられたときに求めるとしていた「自主的な市民への説明要請」を、事業報告書の提出もれ等にも適用するというもの。この改定により事業報告書の未提出や登記未了の場合、その理由と今後の提出予定に関し、市民に説明をしなければならなくなり、同時に内閣府のホームページ上で公開されるのです。
 確かに、NPO法人の不祥事が新聞で報道される度に、健全な活動を行っている他のNPO法人に対する信頼にも悪影響がありました。今回はそうした動きを踏まえての対応でしょう。しかし結果として、徐々にNPO法人に対する所轄庁の対応が厳しくなっているのを感じます。この勢いでは、書類のみの認証申請では法定の認証基準を満たしているか判断できないということで、活動の実績や評判により判断するということになるかもしれません。これでは、簡便な法人格取得を可能にしたNPO法人制度のできた意味がなくなるでしょう。公益法人改革も進む今、それに逆行する動きといっても過言ではありません。
 私はむしろ、活動の中身で勝負という意味で、活動の現実性や効率性、実効性などを審査できる新しいシステムの導入を望みます。まったく新しい団体でも、その活動の必要性が高ければ法人格は与え、その後の手続きや事務処理能力の有無を審査していけばよいのです。昨年の暮れに内閣府は6法人の認証取り消しを決定しましたが、このような審査にすれば、せっかく与えた認証を取り消すこともなかったのではないでしょうか。



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成16年1月)

http://www.iva.jp