税制確定!なんとビックリ、一般法人がさらに分離! | ||
2007年12月19日 | ||
非営利法人総合研究所(NPO総研) |
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12月13日、ついに与党税制改正大綱が発表されました。 新公益法人制度では、公益法人を「一般社団法人・一般財団法人」と「公益社団法人・公益財団法人」に分けることは、既にご存知のとおりですが、今回びっくりしたのは、答申のとおり、「一般社団法人・一般財団法人」について、さらに「収益事業課税が適用される法人」と「全所得課税が適用される法人」に分けることになったことです。 つまり、制度上は「公益社団法人・公益財団法人」と「一般社団法人・一般財団法人」の2つに分かれているのですが、課税上は「公益社団法人・公益財団法人」「収益事業課税が適用される一般社団法人・一般財団法人」「全所得課税が適用される一般社団法人・一般財団法人」の3つに分かれるのです。 一見すると、良い制度だと思われそうですが、許認可も監督官庁もない野放しの「一般法人」の税務を誰がきちんと指導できるのか、大変疑問が残る内容です。まさに玉虫色の決着とはこのこと。いくら与党が不利な状況とはいえ、選挙が近いと何でもありなのでしょうか・・・・。 もちろん「何でもありなのです。」 それが政治というものです。 昨年の6月の法律公布の時、その内容を見てあきらめた公益法人の皆様。 公益が遠のき「一般法人」しかないとあきらめたその皆様が、今年の9月7日の政府令の発表で勇気を取り戻し「公益法人を再び目指そう!」とシュプレヒコール。 その皆様が、今回の税制大綱を見て、またまた軌道修正でしょうか?? だって、「一般法人」でも収益事業課税なら、「公益法人」とそれほど税制は違わないではありませんか。軽減税率も撤廃されるのなら、違いといったら、みなし寄付金や寄付金の優遇措置ぐらい?? それなら、申請が複雑で規制が厳しく、毎年毎年ビクビクしていなければならない「公益法人」より、監督官庁とオサラバして、のびのび活動ができ自由度の高い「一般法人」を選ぼうという団体も多いはず。 んー、これでまたまた現行の公益法人の皆様の悩みは深まりそうですね。 (PR もちろん、悩んだら私に相談してください。有料ですが・・・) さて、それではここで、今回の大綱をおさらいしましょう。 まずは、新しい「公益社団法人・公益財団法人」の税制。 今までの公益法人に適用されていた制度と比較してみると、今までは収益事業として課税対象であった事業であっても、今度は公益目的事業であれば非課税になるということが一番大きな違いでしょう。 それと同等、いやもっと大きい違いとも言えるのが、軽減税率の不適用でしょうか。 税率については、現在の公益法人に適用される軽減税率は適用されず、NPO法人と同様(資本金1億円以下の株式会社と同様)に、原則30%、年800万円以下は22%ということになってしまったのです。 これは現行の団体にとっては相当のショックでしょうね。 ただし、みなし寄付金(収益事業から公益事業のために支出した金額)は、現行の、所得金額の25%から、所得金額の50%に拡充されましたので、こちらのほうは大歓迎でしょう。 そして、一番の驚きは、やはり「一般法人」のさらなる分離ですね。 「一般社団法人・一般財団法人」をさらに二つに分けることにしたのです。 「収益事業課税が適用される一般社団法人及び一般財団法人」として、剰余金の分配を行わないことなどを定款に定める団体や会員に共通する利益を図る活動を行うことを主たる目的としている団体には、各事業年度の所得の金額のうち、収益事業から生じた所得について法人税を課税することになりました。 もちろん、軽減税率は「公益法人」同様なくなり、各事業年度の所得の金額に対して30%(所得の金額のうち年800万円以下の部分については22%)の税率を適用することになりましたが、この新しい公益法人制度のスタート時点では原則課税があたり前だったのですから、本当にびっくりという感じです。 (PR 理由は知っていますが、身の安全のため、次回の講演でお話いたします・・・) 先述したとおり、この制度が適用された「一般社団・一般財団法人」は、「公益社団法人・公益財団法人」とあまり違いがないといっても過言ではないでしょう。 違いといえば、「収益事業の範囲から公益目的事業を除外する規定がない」ことや、「みなし寄付金の規定がない」ことぐらいです。 それと、最大の違いといえるのは、一般法人には寄付税制の適用がないということでしょうか。 しかし、「収益事業の範囲から公益目的事業を除外する規定」は、公益目的事業はもともと利益が生じないことになっているので、それが除外されても税金の効果に変わりはないでしょうね・・・・。 寄付金の優遇税制も、寄付金があまり入らないような法人にはまったく関係ないでしょうし、税率も「公益法人」と変わりがなく、会費や寄付金にも課税されないのであれば、いったい何のために苦労して「公益社団法人・公益財団法人」を目指すのかわからなくなってくるかもしれませんね。 もちろん、社会的な信用はまったく違いますが、「信用などいらん」と言われてしまうと、私でも・・・・・です。 これで、わざわざ規制や制約の多い「公益社団・財団法人」を目指す法人が少し減りそうな気がします・・・ もっといえば、「収益事業課税が適用される一般社団法人・財団法人」は「NPO法人」と、法人税上は一切違わないことになるのも注目です。 NPO法人とどちらを選ぶか迷っている団体の悩みは、永遠に尽きないでしょうね。 さて、最後に「全所得課税が適用される一般社団法人・一般財団法人」についてですが、これについては、説明が簡単です。 なぜなら、法人税法上は、普通法人とまったく同じだからです。会社と同じ税制といえばおわかりですね。 現行の中間法人同様、これに規定される団体は、会費や寄付金、補助金などもすべて課税されることになります。 どうやらこの法人が一番損をしそうですね。 「いや、うちは収入と支出がまったく同じだから、税金の心配もいらない、税金計算も簡単だし、こっちが一番簡単でいい」 なるほど、そういう団体もありそうですね・・・。 さて、とにもかくにも、いい悪いは別にして、これで新しい公益法人税制が決まったのです。 「さー、これを材料に、どちらを選ぶか最後の協議だ!」という法人も多いことでしょう。 でも待ってくださいよ。これはあくまでも、与党の税制大綱です。 もちろん、通常は、与党の大綱ですべて決まりです。 しかし、今は国会がどういう状態かおわかりですね? そうなのです。ねじれ国会なので、これを民主党側が飲めば決まりですが、修正案が出れば、当然調整となるでしょう。 今の内閣の性格上、最後の最後までどうなるかわかりません。 いつになったら動けるのかという声が聞こえてきそうですが、とにかく慎重に進めていきましょう。 さあ、最後まで読んでいただいたみなさん、もっと知りたくありませんか? 続きは1月28日のセミナーでお話しましょう。 大変恐縮ですが、お席が少なくなりましたので、申込みは急いでください!! (最近営業がうまくなりました・・・・) |
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