◆知床「オオカミ移入」平行線◆
世界遺産の知床(北海道)と米国イエローストン国立公園の生態系保全をめぐって昨年、札幌で開かれた国際哺乳類学会議で始まった「オオカミ論争」は、米側による再移入の提案に、日本側が「野生動物管理の改善こそ先決」などと反論し、議論は平行線のまま。イエローストンでは95〜96年にオオカミ計31頭をカナダから移入したことで河畔林や野鳥などが増えた。この経験を知床に生かしてオオカミの試験的導入を提案。だが、日本はオオカミの移入は実現性を考えると現実的ではないとしている。
朝日新聞 夕刊 5月26日