◆「ねずみ小僧」収穫お助け人手不足の畑に参上 南会津◆
■人手不足などで畑に放置されてしまう農作物の利活用に取り組む福島県会津若松市のNPO「素材広場」が7日、福島県南会津町の特産品南郷トマトを収穫し、地元の宿泊施設に届けた。
 世のためにお金を配った義賊にちなみ「ねずみ小僧プロジェクト」と銘打った企画。頬かむりをした参加者10人が、同町南郷地区のビニールハウス2棟でトマト約450キロを収穫した。
 南郷トマトは50年前に栽培が始まり、現在は全国に出回るブランド品。8月に収穫が始まるが、共同選果場が閉まる10月末で出荷はストップ。例年、残ったトマトは畑に放置されていた。
 参加した湯野上温泉(福島県下郷町)の民宿経営鹿目信和さん(30)は「採れたてのトマトの匂いを感じた。畑の恵みを料理に生かして宿泊客に伝えたい」と話した。
 ねずみ小僧プロジェクトは2009年に始まった。高齢化や人手不足による収穫放棄を防ごうと、福島県会津美里町のカキや同県会津坂下町のリンゴなど会津各地で支援活動を行い、農作物を宿泊施設に届けている。
 NPOの横田純子理事長(41)は「会津のおいしい食材を無駄にせず、泊まった人に味わってもらうため出没していきたい」とプロジェクトを通じた「世直し」を続ける考えだ。
 素材広場は今後、喜多方市でジャガイモ、会津若松市でカキの収穫ボランティアなどを計画しており、参加者を募っている。連絡先は素材広場0242(85)6571。
 
河北新報 2012年11月8日‎
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