第185号 最低時給アップで日本経済は良くなる??

 この10月1日から東京都は時給1013円、神奈川は1011円と、初めて1000円を超え、全国平均も874円から901円になった。
 アルバイトやパートをしている学生や主婦は大喜びだ。
 しかし、いったい、どこの政党がこの政策を推し進めたのか??

 先の参議院選挙を振り返ってみると、珍しく犬猿の仲である与野党で一致している稀有な政策、それが「最低賃金の引き上げ」だった!
 「全国加重平均1000円」(自民党)、「ただちに全国どこでも時給1000円に引き上げ、すみやかに1500円に」(共産党)、「5年以内に最低賃金の1300円への引き上げ」(立憲民主党)と、金額に多少の違いはあるものの、すべての政党は最低賃金を引き上げていく気マンマンだった。
 だから、すべての政党が賛成するなんて、日本経済にはとっても良いことなのだろうが、果たして本当にそうなのだろうか??
 確かに、イギリスもかつては「英国病」などと揶揄されるほど、深刻な低成長に陥っていたが、1999年に最低賃金制度を復活させた後、引き上げに力を入れた結果、雇用抑制の効果も確認されず、1999年から2018年までの平均名目成長率は日本の約2倍となっている。
 その一方、日本では名目、実質ともに賃金が5カ月連続のマイナスとなっていることからもわかるように、もはや日本の賃金は自然上昇が期待できないほど、経済が徐々に悪くなっている。
 だから、イギリスの真似をして、政策的に無理やり賃金を上げるしかないのだろう・・・

 でも、ちょっと待った!!お隣の韓国を見たら、誰だってビビってしまうはずだ。
 今の韓国の文政権は最低賃金を急速に引き上げ、2018年に16%、2019年1月にも10%上昇させた。これによって小規模事業者が打撃を受けて、機械の導入などで人件費を削減した結果、失業者が溢れかえり、韓国失業率は9年ぶりに悪化しているのだ。
 だから、日本も最低賃金を引き上げたら同じ地獄が待っていると考えるのが当たり前だろうに、なぜ与野党がこぞって賃上げしようとするのだろうか。
 もちろん、国民の給料や時給を下げるなんて公約に掲げたら、間違いなくその政党に投票する人はいなくなるし、高ければ高いほど人気が出るだろう。

 しかし、実はその論理の裏側には、大変危険な考え方が潜んでいるのをご存じだろうか??
 それは、最低賃金を引き上げれば、低賃金しか払えない中小企業は自然と淘汰されていくということだ。
 そして、そこで働いていた労働者は一時的には職を失うかもしれないが、人手不足なので、より大きな企業へと吸収されていく・・・。
 つまり、人口減少社会での最低賃金引き上げというのは、「労働者の集約」と「増えすぎた中小企業の整理・統合」という大変乱暴なやり方で、景気を上昇させようとしているのだ。

 もっと厳しいことを言ってしまうと、最低賃金の引き上げというのは、「多くの労働者を助けるため、低賃金しか払えぬ経営者を減らす」ということが最大の目的なのだ。
 だがしかし、低賃金の筆頭株はNPOや公益法人などの非営利団体だが、それらはどうなるのだろうか?
 もともと、低賃金でもやりがいや生きがいのために働く人たちが多いから、これらの非営利団体は成り立っているのだ。
 それを、会社もNPOも全部最低賃金を上げたら、たちまち非営利団体は消えてなくなってしまうだろう。
 もちろん、非営利団体に限らず地元で頑張っている零細企業も同じ道をたどるはずだ。
 だから、日本商工会議所などは、すでに事業者は賃上げをしているので、これ以上やったら大変なことになると警告しているのに・・・
 しかも、時期も最悪だ。消費増税で消費が急激に落ち込んでいるこの時期に、なぜやるのか?
 きっと、このあと消費が落ち込み、賃金アップとダブルパンチで零細企業がバタバタ倒れ、生き残ったところも賃金アップに耐え切れず雇用を減らすので、街には失業者が溢れ返るだろう。
 それに、大企業は利益最優先だから、儲からないことはやらない。その隙間を埋めるのが零細企業や非営利団体なのに、このままだと、隙間を埋めるどころか、隙間だらけになり、社会が大混乱することになるだろう。

 わかりやすく言うと、大都市以外のバスがどんどん廃線になっていくことと同じ現象で、儲かることしかやらない大企業だけになったら、困るのは消費者なのだ。
 最低時給が上がって喜んでいる国民は多い。しかし、それがまさか自分たちの首を絞めているとは思いもよらないだろう。
 大企業が提供するサービスから零れ落ちた、利益を度外視した地域密着の人にやさしいサービスはものの見事に消えていくだろう。

 ではどうすればいいか??
 私は、昭和の終わりから物価がほとんど変わっていないのだから、時給も平成初期ごろに戻すべきだと思う。
 最低時給を決めるのではなく、最高時給を決めて、それ以下にしないと企業に罰則を与えるのだ。
 それしか、今の日本をよみがえらせる方法はないと思う。
 「最高時給800円」程度まで下げないと、このあと、零細企業が潰れ非営利団体が解散し、隙間だらけの社会となり、日本経済の破綻が間違いなく訪れるだろう。
 政治家に壊される悲しい国、それが我が日本ということに皆気が付いてほしい。

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年11月)

第184号 時代が変わると消費が変わる?

 「売上げがどんどん落ちている」「最近さっぱり売れない」

 昨今、経営者の多くが抱えている問題は「モノが売れない」だ。
 アベノミクスが行われてから、数字の上では日本の景気は良くなっているような錯覚を吹聴しているが、一般市民の体感として景気が良くなったと感じている人はほぼいないのではないだろうか。
 いやむしろ、将来の不安から消費者の財布のヒモは硬くなるばかりだろう。
 しかし、そんな中でも、一部の企業ではモノが飛ぶように売れているものもある。だから、製品の良し悪しも少なからず影響はあるだろうが、ほとんどのメーカーの売り上げが落ちていることからも、やはり、売れない時代の到来といってよいだろう。
 数十年前の高度経済成長期から、いわゆるバブルと呼ばれた時代まではとにかくモノを作れば売れる時代だった。
 普通に就職し、会社員として働いているだけで十分な給料がもらえ生活にゆとりがあったのもバブル時代の当たり前の風景だった。
 そして、さらに将来は、もっと多くの賃金がもらえるという確信があったので、バブル時代は、多くの人は消費に寛容で、ドンドン買ったのだ!
 しかし、バブルは終わり、日本の経済は冷え込んでいった。
 悪循環はここからだ。今までのようにただ単にモノを作るだけでは売れない、そう感じた日本の経営者たちは「質」だけでなく「独自性」を重視するようになっていくのだ。
 だから、世の中には前の世代よりも上質でクオリティーの高い製品が出回り、他社と差別化するため多種多様な製品が開発されるようになったのだ。

 そう、つまり、必要なものは一つしかなくても、選ぼうとする製品はたくさんあるという時代になっていったのだった。
 その結果、世の中にはモノが溢れかえり、大した労力をかけずとも質の高い製品を簡単に手に入れられる時代になったのだ。
 さらに、価格競争も同時進行しているため「それなりの価格で質の高いもの」がたくさん出回っているので、一つ一つの製品が売れないのは当たり前なのだ。
 だって日本には「モノがなくて生活に困る」という人はほとんどいないだろう。
 それぐらい日常生活において不便に感じることはないほど良質で利便性の高い製品がすでにあって、それなりの生活をしているのだ。
 なのに、売れないからと言って、また競い合って製品を出し続けるから、売れない悪循環に陥っているのだろう。

 テレビが欲しくて家電ショップに行くと、どれを選んでいいかわからないほど製品が並んでいる。
 車が欲しくて、自動車会社のホームページを見たら、数十車種の車が並んでいる。
 昔なら、若者は「セリカ」か「スカイライン」。家庭用なら「カローラ」。富裕層は「クラウン」・・・などと、ある程度決まっていたのだが・・・

 もちろん、「将来が不安だから貯蓄したい」「本当に必要なモノだけでいい」という現代特有のニーズが原因というのもある。
 「今の会社で給料が増えるのか心配」「会社がいつ倒産するかわからない」「出世は期待できそうもない」といった悩みがつきまとうため、消費者が消費に積極的でない傾向があるのだ。
 特に、現代の10~20代の若者は「将来のためにお金を貯めておきたい」と考えている人が多く、消費自体をあまり好まない傾向にある。
 ぜいたく品や豪華すぎるものは敬遠されがちで、安価でありながら質の良い製品を選ぶ傾向にあるのだ。
 なるほど「ユニクロ」が日本一売れているのはそういう理由なのだ。
 つまり、「買えるけど買わない」というのは現代の若者の典型的な特徴といえよう。
 良質かつ安価な製品をすでに持っているので、どれだけ最新技術や流行に乗っていることを広告でアピールしても消費者には響かない。
 なぜなら、「そんな最新技術は特に必要がない」「他のモノで十分代用できる」と感じる人が多いからだ。企業がどれだけ最新トレンドや最新技術を広告で強調しても、消費者にとってみれば「無用の長物」となってしまっているのかもしれない。

 さらに、最近は昔と比べて「所有する」ということに意義を持たなくなっているそうだ。
 「高級車や高級な服を持ちたい」という所有欲から「必要なときに利用したい」という欲望に変化しているのだ。
 こうしたニーズを反映して「レンタルカー」や「レンタルクローズ」を利用している人が周りにたくさんいるはずだ。
 例えば、結婚式で1回しか着ないウェディングドレスを購入するのではなくレンタルにしたり、普段着までも使いまわしする人まで出てきている。

 さらに、ライフスタイルの変化で売れないものも多くなっているそうだ。
 そんな変化に最初に直面したのがストッキングらしく、90年代から消費が減少し始め、近年はピークの5分の1以下に低迷しているのをご存じだろうか?

 なぜかって??
 それは、女性の社会戦力化とともにアパレルに求められるものも"セクシー"や"モテかわいい"から機能性や動きやすさに変化していったからだそうだ。
 少子高齢化する日本社会を支えるべく国民総労働力化が急進し社会負担が重くのしかかる中、生活と生計に追われてライフスタイルが急変しており、とりわけ就業率が急上昇する女性の変化が際立っているので、女性向けの製品を作っている企業は、大きな転換期を迎えるだろう。
 共稼ぎや母子家庭などが普通になって勤労核家族の家事分担が崩れ、スマホをキーデバイスとした個人行動が中心となってだんらんのテレビ視聴時間が減り、家庭での調理が減って手軽な外での個食や中食が広がり、下着やアパレルに限らず食物販やフードサービスまで雪崩打つように急変している。
 女性はもはや家事や育児を分担して家庭を守る良妻賢母、あるいは愛嬌を振りまく職場の花ではないのだ。
 もっと言うと、家族の食事のためにスーパーマーケットに足繁く通い、井戸端話に花を咲かせる"主婦"でもない。

 こういう時代だからこそ、売れるためにさらに新製品を出し続けていくことはやめて、原点に回帰したらどうだろうか?
 新技術・新製品競争ではなく、機能的でシンプルな製品を数点に絞ったり、購入することができないレンタル製品のみを作ったり、ネットで簡単に購入できるなど、ライフスタイルを尊重する戦略もよいだろう。
 そうでもしないと、物がどんどん売れなくなって、すべてのメーカーが潰れていってしまうような気がしてならない。

 そうだ!! 私も、所有や購入することばかり考えないで、これからは必要なものを必要なときだけ、レンタルしたり、シェアしてみようかなあ・・・

 待てよ! そのうち「あなたこそいらない」って、家族に突っ返されたらどうしよう。

 誰かにシェアしてもらえるだろうか・・・

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年10月)

第183号 日本の住居がすべて事故物件になる??

 家を探している人は、不動産会社のホームページなどで、たまに格安物件に出会うことがあるだろう。
 駅にも近くて築浅で広くてこの値段??? なんて小躍りしていると、下の方に何か書いてあるのだ。

「告知事項あり」

 そう、それは事故物件なのだ!!

 日本の年間の自殺者は約2万人。推定の年間孤独死者数は約3万人。
 つまり、日本は、世界有数の自殺・孤独死大国なのだ。

 当然そういう人がみんな家の外でお亡くなりになるわけではない。家の中でお亡くなりになることも多いのだ。
 最後に住んでいたのが、家の中だったりすると、それは「事故物件」と呼ばれ、必ず次の人に納得してから住んでもらわなければならないルールがある。
 だから、不動産会社もちゃんと記載する必要があるのだ。
 よって、日本では、毎日どこかしらで「事故物件」が生まれていると言っても過言ではない。

 怪談やオカルトの定番である事故物件は、強烈なマイナスイメージが先行するゆえに不動産賃貸や売買において、オーナー・客・不動産業者のそれぞれにとって扱いに困る代物だ。
 中には、相場の半額という物件だってザラだ。それでも、買い手や借り手がつかないことも多い。
 そんな現状を打破すべく、というか逆転の発想で、横浜の不動産会社が運営する、事故物件専門の紹介サイトがオープンしたのだが、たった2か月で取り扱い物件数を約4倍に増えているらしい。
 それを紹介するニュース記事では、そのサイトの取り扱い事故物件の約7割が前居者が孤独死・自然死した物件で、残りのほとんどが自殺だという。

 ん??? ちょっと待てよ!
 一人で死んだら、即「事故物件」になるのなら、一人暮らし高齢者が急増している現状では、今後住居はほとんど事故物件になるのではないのか??
 孤独死を事故物件というのはおかしいのではないだろうか?

 調べてみると、事故物件には明確な基準というものはなかった。
 そもそも、怪談などの影響もあり「事故物件=死」のイメージが強いのだが、物件の近くに暴力団の事務所があったり、過去に浸水した経験がある物件なども「事故物件」とされることも少なくない。
 また、孤独死や自然死が発生した物件でも、オーナーさんや不動産会社によって扱いは異なるようで、事故物件は「心理的瑕疵(かし)物件」として告知する必要があるが、それも過去の判例によって常識的になっているが、法律で義務付けられているわけではないのだ。
 例えば、孤独死で遺体の発見が遅れ、腐敗臭などが近隣住民から寄せられた場合の多くは当然事故物件になり、それ相応の対応が必要になるが、早期発見できたケースでは特に事故物件とは言わずにそのまま市場に流通することもあるようだ。
 つまり、なにをもって「事故物件」とするかは大変難しいのだ。
 最近はSNSを使って「事故物件紹介サイト」なるものがあり、簡単に情報が拡散されてしまうので、秘密にし続けること自体が大変困難なので、事故が発生したオーナーや不動産会社も、ものすごく気を遣うらしい。
 だから、事故物件としてすぐに売り出す人もいれば、建物そのもののイメージ低下を恐れてほとぼりが冷めるまで部屋の募集を停止する人もいるし、建物そのものを取り壊してしまうケースもあると聞く。
 価格にもそれが如実に表れており、不動産会社によると、孤独死や自然死だと相場の3~5割。前居者が自殺した物件は最大で9割も引くことがあるというのだ!
 9割って、10万円が相場のマンションなら1万円、5000万円が相場の一戸建てなら500万円というのか???
 格安すぎて、逆にどんな自殺なのか、聞くのが怖い・・・。

 しかし、世の中というのはよくできているもので、お金に困っている高齢者やコストパフォーマンスを求める若い人は、そういう物件をあえて選ぶのだそうだ。
 ただ、事故物件に平気で住めるような人は、年齢関係なくほとんどが男性なのだそうだ。
 女性にとって事故物件はかなりハードルが高いのだろうか?
 日韓関係が冷え切っている中で、政治のことはお構いなく、韓流スターにキャーキャー騒いで、韓国旅行にジャンジャン行っている空気の読めない日本人女性なのに、そっちの空気はよく読めるようだ。
 実に不思議だ(笑)

 しかし、孤独死に関しては在宅死と同じではないだろうか?
 「自宅でなくなった」のだから、看取ってくれた家族の有無だけで物件の価値に違いが生まれてしまうのは、亡くなられた方も不本意なのではないだろうか。
 ニオイなどの物理的な理由は別にして、心情的に大きな違いはないと考えないと、今後の一人暮らし高齢者が急増する日本では、あまりにも事故物件が増えすぎて、不動産相場自体も下がり続け、景気にも悪影響を及ぼすのではないだろうか。

 もちろん、「そういうのであればお前が住め!」と言われると、やはり自分が事故物件に住めるかと言われたら抵抗はあるのは事実だ。
 んー、難しい問題だ・・・。

 そうだ!!
 安倍さんなどの公邸は事故物件にしたらどうだろうか?
 サイトでよく紹介される有名な事故物件マンションを買い取って、議員宿舎にするのもよいだろう。
 そうでもしないと、孤独死が多発する日本は事故物件が増えすぎて、住むところがなくなってしまうだろうから、イメージを政治家が率先して変えていく必要があるはずだ!!

 と思って調べたら、議員宿舎はすでに元大臣が首をつって死んだり、飛び降り自裁した事故物件だった・・・。
 首相官邸はさすがに大丈夫?と思ったら、1929年に建てられ、1932年の5・15事件で犬養毅首相が、1936年の2・26事件では岡田啓介首相の義弟などが射殺されていた、いわば「血塗られた歴史」を持つ立派な「事故物件」だった!!

 政治家の皆様、毎日お仕事お疲れ様ですm(__)m

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年9月)

第182号 そんなに韓国のニュース見たい?

 やっと、地獄のような暑い夏ともおさらばして、快適な秋が来る~と思ったら、やっぱり残暑・・・
 本当に鬱陶しい日々が続いているが、ネットニュースもテレビも、最近、本当に鬱陶しい!
 あなたはそう思いませんか??
 何がって、そう、韓国のニュースですよ!韓国の!!

 きっかけは、何といっても、昨年10月に韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた徴用工問題であることは誰でも知っているだろう。
 この問題は、1965年の日韓請求権協定で完全に解決しているのだが、それをこともあろうに、韓国の最高裁がひっくり返してしまったのだ!
 すごい国!!
 恐らく、韓国の文大統領も判決を聞いてビックリしただろう。
 それなのに、間違いを認めないどころか、「日本政府や軍が関与した反人道的な不法行為は請求権協定で解決したと言えない」と便乗してしまったのだから、すごい人だ!
 もともと日韓は、竹島問題や慰安婦問題であまり仲がよろしくないのだが、火に油を注ぐとはまさにこのことだろう。
 そしてついに、8月22日に韓国が日韓軍事包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことで、もうドロドロの応酬合戦に発展してしまったのだ。
 そして、今日に至るまで、報道という報道はこの日韓関係悪化のニュースばかりだ・・・。

 そもそも、一国の大統領が、過去の協定を無視するような国なのに、むきになってどうするのだ??
 かつて第2次世界大戦では、ソ連は、日ソ中立条約(不可侵条約)を締結したものの、弱り目に祟り目とばかりに、敗戦濃厚な日本に宣戦布告してきたではないか!!
 忘れたのか?協定も条約も、破られるためにあるのだ!

 特に韓国の文在統領は、将来の北朝鮮との経済統合を目指し、北朝鮮に融和的な人である。
 北が大好き大好きでしょうがないらしい。
 そういう人にケンカを売って、相手が折れるとでも思っているのだろうか???
 私はそうは思わない!
 「北風と太陽」ではないが、「北風」はどんなに強くなっても、相手を閉じ込めてしまうだけだろう。
 そこで提案だ!!やはり「太陽」政策だろう!

 旦那さん、「国際法を無視する国なのだから、歩み寄るなんて相手に付け込まれるだけだ」なんて言わずに、あなたの周りを見てごらんなさいよ!!
 あなたの周りの女性たちのほぼ半数は、韓国が大好きだし、今でも韓国のテレビで韓流スターやアイドルにキャーキャー言って、韓国グループの歌を毎日歌っているのだから・・・
 そして、日韓の厳しいニュースが毎日流れていても、彼女たちはそのニュースが「自分が大好きなあの人の国」とは思っていないのだ。なんて無邪気だ!!

 さらにさらに、聞くところによると、韓国旅行も安くなっているので、日本女性の韓国旅行はこの間増え続けているそうなのだ。韓国に行って、焼肉を食べて歌って、エステや美容に夢中なのだ!
 すごいぞ、日本女性!!!
 これならKY世界選手権で優勝間違いなしだ!!
 男子よ、そしてメディアも、彼女たちを見習いなさい!!
 わざとセンセーショナルに報じたり、韓国に対して厳しい男性論者の声ばかり取り上げ、この問題をさらに大きくしようとしないで、彼女たちの無邪気さを見習うとよい。
 そう、彼女たちこそ「太陽政策」の申し子と言ってもよいだろう!

 しかし、同じ女性でも、韓国の女性はなかなか厳しいようだ。
 その証拠に、日本からの訪韓はまだまだ増えているというのに、韓国からの訪日客はガタっと落ち込んでいるそうだ。
 このまま関係悪化が長期化すれば、前年対比で半分程度まで落ち込む可能性もありえるらしい。
 うーん、韓国女性も日本女性を見習うべきではないだろうか?

 ただ、正直に言うと、日韓関係悪化による日本経済への影響はほぼ今のところないらしい。
 それよりも、むしろ、日本経済全体に影響を及ぼすのは、10月から行われる消費増税だろう。
 思い出してほしい。2014年の消費増税のことだ。
 あの時は、「判断ミスだった」と当時の安倍首相は後悔していたそうだ・・・。
 今回も同様に、失政だったと振り返られる可能性が高い、と私は予想している。
 何故かって??
 算数ができる人なら誰でもわかるはずだ。

 消費増税による家計負担増の金額を確認すると、消費増税にともない約4.6兆円の税収負担が増えることになるが、増税によって、幼児教育と高等教育の無償化などの制度が始まって約2.4兆円が政府から家計に支給されても、恒久的な家計負担は約2.2兆円増える。4.6-2.4=2.2なのだ。
 子どもがいなかったり、いても大学生以上の家庭の場合は、恩恵はほぼゼロだ!
 この家計負担に対して、政府は2兆円規模の臨時の景気対策を行うが、このうち1.35兆円は防災、国土強靭化政策で、家計の所得負担を直接軽減させることにならない。
 時限的な対策として、いわゆるポイント還元制度などもあるが、これらはたったの0.66兆円だ。
 これらの予算が実際にすべて政府支出として家計に給付されるかは不明なので、先に挙げた2.2兆円の恒久的な家計負担のごく一部しか相殺されないだろう。

 さらに、もう、トイレットペーパーなどの生活用品の買いダメが始まっているそうだが、今回の増税で10月1日以降の個人消費が落ち込むことは明白だ!
 名目賃金が1%程度しか伸びていない中で、家計所得に無視できない規模の負担が生じれば、サラリーマン世帯の場合、少なくとも贅沢品などの個人消費はしばらくほぼゼロに失速するだろう。
 つまり、消費増税以降、日本経済の成長率は、ほぼゼロ成長に減速するといっても過言ではないだろう。
 日韓関係の悪化が大きなニュースになっているが、それも政府の作戦ということを早く気が付いてほしい。
 そう、日韓問題で熱くなっているうちに、シレッと消費税増税をスタートさせるつもりなのだから、あなたはもう、マスコミに流される「B層」になってはいけないのだ!!

 ※ちなみに、私は韓流スターに嫉妬しているのではありません。ホントだってば~(;'∀')

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年8月)

第181号 消費税って何のために上げるんだっけ?

 いよいよ参議院選挙だ!
 いや、もちろん、このコラムが皆様のところに届いているころは選挙がとっくに終わっていて、「自民党圧勝!」「安倍政権信任!」と安倍ちゃんをはじめ、与党議員はホクホクしているのだろう。
 共産党以外、野党の政党名もまとめに言えないような体たらくだから、当然といえば当然の結果だろう・・。

 でも、ということは皆さん覚悟はしてますか?
 消費税が上がりますよ~これでついに!!

 そもそも、消費税率って、なんで上げるか皆さんは覚えているだろうか?
 創設時の目的は「高齢化に向けた安定的な財源の確保」だった!
 それが時間とともに変遷していって、まず「社会保障改革と財政健全化の同時達成」となり、さらに、「社会保障の充実」へと変節し、その対象分野は「年金、医療、介護」の3分野から「少子化対策・子育て」がいつだか加わり4分野となった。
 そして、2017年12月の「新しい経済政策パッケージ」では、少子化対策・子育て支援策の「幼児教育の無償化」とともに、「私立高校の授業料の実質無償化」と「高等教育の無償化」を滑り込ませた。なんでも盛り込むてんこ盛り状態だ!
 これにより、少子化対策・子育て支援策として大学無償化に消費税を使うことは、いわば合法化されたといっても過言ではないのだ。
 そして今年の5月10日、参議院本会議で「大学等における修学の支援に関する法律(大学無償化法)」が賛成多数で可決・成立した。同法は2020年4月から施行されることになり、文部科学省では約75万人の学生の支援を見込んでいるらしい!

 えっホント??大学が無料になるの???
 いや、実は、大学無償化法と銘打っているが、その内容は大学の無償化を実施するものではない。

 まず、対象は大学のほか、大学院、短期大学、高等専門学校、専門学校であり、大学に限ったものではないのだが、さらに、支援内容は(1)授業料等の減免措置(2)給付型奨学金の支給の拡充となっており、すべてを無償化するものではないのである。
 「大学の無償化」って言いながら、実は無償になる学生はホンの一握りなのだ!
 さらに、文部科学省によると、「両親と学生本人、中学生の4人世帯」の場合、年収約270万円までが非課税世帯となるのだが、無償化の対象は住民税非課税世帯に準ずる世帯の学生で、無償といいながら、年収約270万円から約300万円の世帯では、年収約270万円までの世帯への支援額の3分の2、年収約300万円から約380万円の世帯では、同じく3分の1を支援するというのだ。
 てことは、平均的普通のサラリーマン世帯は、当然無償化でも何でもないのし、「大学の無償化」って言いながら、実は無償になる学生はホンの一握りで、減免のなるのもさらに全体の半分以下だ!!
 もちろん、貧しければいいというわけではなく、対象者について文科省は「進学前は成績だけで否定的な判断をせず、レポートなどで本人の学習意欲を確認」らしいし、就学後も退学や停学処分、留年といった場合は支援を打ち切るらしい。
 打ち切るだけでなく、著しく態度が悪かった場合などは支援額の返還を求めるといった要件も付けてあるから、減免を受けたら、大学生活をエンジョイできないかもしれない。
 「授業さぼったら金返せ!」と言われるのだろう・・・。

 そして肝心なことは、財源に10月に予定されている消費税率10%への引上げによる増収分の一部を使うというのだ。
 そう、消費税創設時の目的は「高齢化に向けた安定的な財源の確保」だったのだが、まさか、それが「学生の授業料」に消えていくとはだれも予想しなかっただろう。
 これってインチキじゃないの??

 当初の目的からすると、年金はちゃんともらえそうだった・・・
 しかし、消費税が安倍政権の思惑により、創設時の目的が何度も捻じ曲げられ、塗り替えられ、年金の財源確保は、どこかに行ってしまったようなのだ!

 実は、誰もが気が付かなかったかもしれないが、一昨年の衆議院選挙の公約にヒントが隠されていたのだ!!
 その公約の最後にこう書いてある。

 「これらの施策を実行するために、消費税10%時の増収分について、社会保障の充実と財政健全化とのバランスを取りつつ、子育て世代への投資を集中することで、全世代型社会保障へと大きく舵を切ります。」

 ん? 今の聞いた???
 消費税は、子育て世代への投資に集中するために、舵を切るんだって!!!

 えー、聞いてないよ~! これじゃあ、年金はもらえそうもないや・・・(泣)

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年7月)

第180号 高齢者の免許はなぜ取り消せない?

 最近毎日のように、高齢者が車の事故を引き起こしている。
 「まるで、走る凶器のようだ!」と思うのは私だけだろうか?
 とはいっても、ナイフをもってウロウロする犯罪者と違って、普段はとても温厚でやさしい人たちばかりだろうから、よっぽどでないとそれは予見できない。
 ここまで事故が多くなると、高齢者=殺人犯予備群と言われても仕方ないが、車さえ運転しなければ決してそういう人たちではない。
 しかし、実際、車を運転する高齢者は、事故予備群であり、殺人予備群と言われても過言ではないだろう。
 もちろん、我々高齢者以外もいつ事故を起こすかわからないのだから、決して高齢者だけの問題ではないが、事故を起こす確率から考えても、ここはどうすべきか政府も真剣に考えるべきだ。

 ある新聞の社説で、「高齢者の運転適応能力が低下するのは、自然の摂理だ」と指摘したうえで、「免許返納の促進は、被害者のみならず、高齢ドライバーを守るためのものでもある。被害者にとってはもちろん、事故は加害者やその家族にとっても悲劇に他ならない」と書き、主張をうまく補強している。社説としてはうまい論じ方である。
 さらに「運転に不安があれば自主的に返納すべきである。家族も目を配りたいが、明らかに能力を欠きながら運転に固執するケースには、強制力をもって免許を返納させる仕組みが必要ではないか」と訴えている。
 しかし、実際にどうやって返納させるか、その仕組みづくりは本当に難しいのだ。
 道交法では、更新時や違反時などに義務づけた検査で認知症と診断されれば免許停止や取り消しにできるよう改正されて久しい。
 実際、事故を起こした高齢者は、直前の免許更新時に認知機能検査を受け、認知症ではないとされている。だから、その診断結果がかえって運転能力への過信につながり、大手を振って運転にいそしんでいるのである。まったく意味がないのだ。
 認知症以外の運転技能検査の義務付けを訴える人も多いが、それをかいくぐった高齢者は、さらに一段と切れ味鋭い凶器になるだろう・・・。

 だから私は、高齢者に対しては、どんな検査をしても無駄だと思う。
 しかし、年齢に伴う判断力や運転技能の低下は、明らかに事故に直結する可能性は高い。
 だったらどうすべきか???
 そう、運転免許は、取得の最低年齢があるのだから、最高年齢があるのが普通ではないだろうか?
 17歳の人と80歳の人の運動能力や判断能力を比較して、80歳の方が上だと国は思っているようだが、私はむしろ、15歳と80歳がじくらいではないかと思っている。
 だったら、18歳からしか自動車免許が取得できないのだから、80歳くらいで免許を強制返上させるのが当たり前ではないだろうか?

 もちろん、問題は一筋縄ではいかないのである。
 高齢者を殺人凶器と変えさせているのは、紛れもなく政府そのものなのだ。
 私のコラムを読むまでのことはなく、最近では公的年金の受給開始時期について70歳超も選択可能にする検討が始まっていることをご存じだろう。
 さらに政府は、定年を65歳まで引き上げるだけではなく、将来は強制的に70歳まで引き上げようとしているのだ。
 つまり社会の高齢化が加速度的に進むなかで、働く意欲のある高齢者の就労をどんどん増やし、公的年金制度などの社会保障を財政的に維持していこうというのが、今政府が一番真剣に考えていることなのだ。働き改革とはまさにそれだ。

 ここで注目したいのは、高齢者の労働と運転免許の関係である。運転免許がなければ従事できない仕事もある。だから、強制力をもって免許を返納させた場合、どの年齢で線引きを行うべきかという問題が次に発生する。
 運転技能と判断力があって十分仕事がこなせる高齢者であっても、ある一定の年齢になると、免許を取り上げられる。そうなれば健全な高齢者から「こんな理不尽なことは納得できない」との不満の声が多く上がるはずだ。政府が高齢者の就労を推し進めようとしているだけになおさらだ。

 もっと問題なのは、地方では車は生活必需品だ。「車がなければ生きていけない」とうそぶく人も多い。
 当然、地方に住む高齢者も、食材を求めてスーパーマーケットまで出かけたり、定期的に持病の診察を受けに町の診療所まで行ったりするのに、車が運転できなければ不便でどうしようもない。
 高齢者の交通事故をなくすためには、こうした問題点もよく考える必要がある。

 なので私は提案する!!

 高齢者の移動こそ、今後の社会の問題ととらえ、高齢者が車を運転しなくてもよいシステムを作り上げてほしい。
 国会議員も、子育て支援にばっかりお金と時間をかけていないで、高齢者の移動をどのように地域で解決するか、それを真剣に検討してほしい。
 それができれば、高齢者の運転免許を強制的に返上させてもよいのではないだろうか?

 でも無理かな・・・
 だって、選挙に行くのは高齢者ばかり。高齢者の免許返上に加担した議員なんか当選するわけないか・・・。

 あーあ、選挙年齢にも上限って無理ですかね???

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年6月)

第179号 消費税増税景気低迷を回避する唯一の方法?

 お祭りムードの中、令和が始まった!
 平成時代はリーマンショックや東日本大震災など、あまりにも多くの出来事があり、まさに激動の暗黒時代といっても過言ではないだろう・・・。
 だから、令和は平和で豊かな時代になればいいと心から願うが、果たしてそうなるだろうか?

 私は、正直に言うと平成時代以上に厳しい時代になると思っている・・・。
 それは何だかんだ言って、消費税増税の影響だ。
 今年の10月からは消費税アップにかこつけて、今が最大のチャンスとばかりに値上げが押し寄せるだろう。

 まずは、乳製品や清涼飲料水など多くの飲料・食料品の値上げが始まっている。食料品などは、すべての世帯に影響が出る最も値上げしてはいけない商品であるが、これで人々の日々の生活に明らかに悪影響が出ることは必至だ。
 年明けの小麦粉の値上げを皮切りに、今年は様々な食料品の値上げがある。値上げ幅はさまざまだが、例えば食塩(500g)が税抜き72円から83円に約15%、ヨーグルトやペットボトルのお茶、アイスクリームも値上げされており、日々の食費支出に影響を与えることは想像に難くない。
 さらに、10月には消費税が8%から10%に上がる。仮に1ヶ月あたりの消費税増税対象となる支出を35万円(消費税8%分を含む)とした場合、消費税が一律2%アップしたとすると支出は約6,500円増えることになる。
 値上げによる影響を鑑みると、今までと全く同じ生活でも、支出が約6,500円以上増える計算になるのだ。

 値上げ分と増税くらいなら大丈夫そう、と思うかもしれないが、毎月それだけの支出を我慢することを想像してみよう。
 恐らく4人家族で月に1万円弱の影響は出るだろうから、家族の外食や趣味の習い事などに例えるとよいだろう。外食を減らしたり、趣味をあきらめたりすることになれば、人生の楽しみを少し奪われるといっても過言ではないだろう。
 また日々の負担は毎月、毎年の積み重ねだ。1年間で約8万円となり、さらに値上げ分も上乗せされるので、将来に向けてボディーブローのように家計を圧迫していくことは確実だ。

 もちろん、それを少しでも緩和させる策も講じられそうだ。
 私がかねてから訴えているように、現金を使わない社会がだんだんと浸透しつつあり、それを利用した還元策などである。
 例えばクレジットカードや電子マネーでの購入など、キャッシュレス決済にはポイント還元される予定(消費税率の引き上げ後9ヶ月間)だし、飲食料品は酒類・外食・ケータリング等以外は消費税が8%に据え置かれる。
 また、車や住宅など、高額な買い物は消費税アップの影響を大きく受けるため、負担を軽減する制度が用意されている。増税後に購入した車の自動車税は引き下げられたり、消費税10%が適用された物件の住宅ローン減税は3年間延長され13年間になるなど・・・。

 こうしたさまざまな制度を利用することで、ある程度の家計負担を軽減することができるが、この負担増加分を相殺するために今後ずっと外食の回数や交際費・娯楽費などを抑え続けていくのは限界があるし、節約という方法だけでは生活レベルを無理に押し下げてしまうことになり、現実的ではない。
 なのでこの際、私は抜本的に、お金そのものを改革したらいいと思う。

 私の案は、電子マネーを使う人には、永久に増税しないという方法だ!
 そうすれば、ほとんどすべての国民が電子マネーを使うようになり、現金のやり取りによる店先での停滞がなくなり、かなり人件費の削減に影響を及ぼすだろう。
 人件費の削減につながるのであれば、今後の人口減に明らかに対抗できるはずだ。
 本当は、増税どころか、電子マネーの人には消費税を課さないで、現金を使う人だけ消費税を20%くらいにするのが一番だと思っている。最終的には現金そのものを使えなくするとさらに効果は百倍だ!
 つまり、この世の中から現金をなくしてしまうことで、泥棒も引ったくりも詐欺もほとんどなくなり、相当な経済効果を上げることになるだろう。警官も減らせるし・・・。
 ノーベル経済学賞もほぼ確定だ!!
 しかし、私はノーベル賞がもらえない・・・。
 なぜなら、私のこの案に賛同するのは一部の経済学者ばかりで、政治家も行政マンも自分たちにメリットがないし、逆に自分たちも相当減らされそうだから全く反応しないのである。

 それに、最も強敵もいる。それは世の子どもたちである。彼らは絶対に賛成してくれないだろう。
 だって、お小遣いもお年玉も電子マネーになったら、それを握りしめて駄菓子屋に駆け込むことができなくなるからだ・・・
 え?? 駄菓子屋に駆け込む子どもなんて、そもそももういないって??

 そうか! 一番の抵抗勢力は、お金を孫たちにあげる喜びを味わう、お爺ちゃんお婆ちゃんなのかもしれない・・・

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年5月)

第178号 意味のない仕事してる?

 世間では新元号である「令和」がもちきりである。
 かくいう私も、当日は京都にいたのだが、何となくそわそわして何度もスマホを確かめたりしていた・・・。
 ちょっとお祭り気分というのが面白い。別に新しい元号になるからと言って得をするということは何もないのだが・・・やはり日本人は元号が好きなんだなあ・・・。
 といっても、今回の改元を機会に、私の場合、書類はほとんど西暦で書くようにしているので、どうか海外のように、西暦に統一してもらいたいというのが本音だが・・・。

 さて、無駄な文字数を使ってしまったが、今日は元号の話題ではない。無駄な仕事だ。

 私は毎月数回出張に行くし、飛行機も毎月乗っているが、先日空港で考えさせられるようなことがあった。
 ペットボトルをもって、空港の保安検査場を通過しようとしたのだが、いつものように、ペットボトルを係員に見せて、調べてもらおうと思ったら、係員は封が空いていないから結構ですと言って戻してきたのだ。
 あっ、そうですか・・と元に戻して通過したが、どうしようもないほどの疑問が湧いてきた。
 なぜ封が空いていないと、中身を調べないのか? と。

 そもそも飲み物チェックは何のためにあるかというと、これは2006年、イギリスのテロリストが化学薬品を機内に持ち込み、それらを混ぜ合わせて爆発物を機内で作りテロを企てたからだそうだ。
 その時は、 市内の監視カメラで見つかり未遂に終わったそうだが、それ以来全世界で飲み物に対するチェックが厳しくなったのだという。

 海外の空港では現物を飲んでみろと言われたりするが、さすが日本、ハイテクが進んでいるのか、ボトル内液体物検査装置なるもので、瞬時に可燃物かどうか判断してしまうのだ!
 だが、封がしてあるということは、まだ開けていないのだから、テロリストたちは可燃物にすり替えていないと判断するらしい。

 ちょっと待った!
 液体爆弾を作れるくらいのテロリストたちは、封印する機械は作れないのか?
 というか、封印する機械は結構安価で買えるはずだが、テロを企てる組織というのは、そんな機械も買えないほどに貧しい集団なのだろうか???

 国家を転覆させようとするテロリスト集団は、小さい国の予算よりもはるかに資金源を持っているというのに、ペットボトルの封印の機械が買えないというのが、我が国の国土交通省の考えなのだ。
 うーん、実に素晴らしい仕事をしているな、国土交通省!

 これだけの話ではない。全く無意味な仕事というのはいくらでもあるはずだ。
 警察も負けてはいない!
 交通違反というのは、交通事故を未然に防ぎ、安全で円滑な交通を確保するために行うものだと思っていたが、ところがどっこい。ネズミ捕りといわれるスピード違反などは、まったく車通りの少ないような場所で行われることが多いはずだ。
 私は昔、富士山のふもとで、車通りの多い道路を避けて、農道のような誰も走っていない道路に移った途端、ネズミ捕りに捕まった経験があるが、まさにこれは、交通事故を減らすのではなく、どうやったら捕まえやすいかという考え方最優先でやっていたといっても過言ではないだろう。
 また、「交通事故多発地点」という看板はよく見るが、そこに警察官が立っているのを見たことがないのは私だけだろうか??? こういう場所こそ、取り締まりを強化するべきだと思うが・・・。
 とはいうものの、私たちの日常生活でも、ついついやってしまう意味のないなことってけっこうあるものだ。

 何かの会や集まりなどの出欠ハガキもそうだろう。出席はもちろん必要だが、欠席は必要なのか? ハガキが来なければ欠席しかないと思うが・・・
 まあ、来なければ催促できるから、必要だともいえるが、欠席の返事って結構気が重いものだから、出席者だけ回答するようにできないものだろうか・・・。

 などと考えていると、いろいろな意味のないことを何も考えずに当たり前だと思ってやっていることは結構あるものだ。

 えっ、この会報のこのコラムも無駄だって!?
 いやいや、そういうあなたこそ、今読んでいるのですから、まさか「意味のない仕事」はしないはずですよね~(笑)

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年4月)

第177号 トップ オブ 信用できない人の言葉

 先月号のこのコラムで「最も信用できない職業」を取り上げ、「政治家」が調査した25か国中23か国でダントツ1位だったことを書いたが、皆さんはどう思っただろうか?
 その前に、最近テレビで政治家を見た人は、そこに誰が出ていたか考えてほしい・・・
 外国なら「トランプと金正恩」だろうが、日本は誰だ?
 恐らく、元交際相手の女性から準強制性交の疑いで告訴され、半ベソかいて衆議院議員を辞職した「田畑毅」だろうか?
 それとも、民主党時代に「自民党をぶっ潰す」と高らかに宣言したが、今はその潰すはずの自民党に入りたくて入りたくて、でも田畑が辞職したあおりを食らってオロオロしている衆議院議員の「細野豪志」だろうか?
 それともそれとも、都知事選の公約では築地市場の跡地について、「築地は食のテーマパークにする」と高らかに宣言したにも関わらず、今年1月、手のひら返したように今度は「国際会議や展示会などが開ける施設に整備すると、何千億円の税金を無駄にしたにもかかわらず平気で嘘をつきまくる「小池百合子」かだろうか?
 百合ねえは、昨日も東京マラソンの表彰式に臨んだ際、ポケットに両手を入れたまま、傘も関係者にさしてもらっていたと報じられていた。
 最近テレビによく出る政治家は、その3人といっても過言ではないだろう。
 「田畑」と「細野」と「小池」・・・その共通点は・・・
 そう「信用できない」だ!!
 やっぱりそうなのだ。悲しいことに、今も政治家は信用できないし嘘つきなのだ。
 なのに、今年も選挙がやってくる。
 さすがに、私の最近の予想はよく当たるし、政治家の嘘もほとんど見抜けることが私の周りでは浸透してきたのか、選挙が近くなるとよく聞かれるのは「先生の話を聞いていると政治家は誰も信用できないのですが、いったい誰に(どの政党に)入れたらよいでしょうか?」だ。
 いやちょっと待ってくれ。そのくらいは自分で考えて欲しい・・・
 そして、あとから反省して学んでほしいのだ。そして二度と間違いを犯さないようにしてほしい。
 だって悪いのは政治家よりもむしろ騙される国民の方だからだ!!
 前に、マスコミに踊らされて日本をおかしくしていくのは国民の大部分を占めるB層であるという話をしたが、何千万人というB層が学んで気付いて行動しないと、間違いなくこの国は滅んでいくだろう。
 えっ、B層って誰かって??
 忘れてしまった人のために、もう一度復習しよう。
 B層は、郵政民営化選挙で小泉ライオン率いる自民党に投票し、4年後の政権交代選挙で民主党に投票し、民主党に裏切られた3年後の選挙で安倍ちゃん率いる自民党に投票し、アベノミクスで踊る次の選挙でも自民党に投票した人。
 都民なら、前回の都知事選挙で百合ねえに投票し、都議会選挙で都民ファーストに投票した人のことだ。そして、そのB層は、次の都知事選では百合ねえには投票せず、都民ファーストの議員にも投票しないだろう。
 では、あなたがB層にならないために、最も信用できない職業に選出された「政治家」のトップ中のトップである我らが安倍ちゃんの今年の施政方針演説を聞きながら、福島流の裏読みをしていこう! ちなみに、カッコの中が福島の裏読みまたは隠された真実だ。
 

 第198回国会における安倍内閣総理大臣施政方針演説の中からピックアップ

  1. この6年間、3本の矢(ホラ)を放ち、経済は10%以上成長し来年度予算における国の税収は過去最高、62兆円を超えています。(借金も過去最高の1470兆円を超えちゃってマ~ス!)。
  2. 悪化を続けてきた子どもの相対的貧困率も、初めて減少に転じ、大幅に改善しました。(経済協力開発機構に加盟する36カ国の平均を上回る状況であることに変わりはないし、ひとり親世帯の貧困率は50.8%と半数を超え、主要国のなかでも最悪独走中で~す!)
  3. 5年間で53万人分の保育の受け皿を整備した結果、昨年、待機児童は6千人減少し、10年ぶりに2万人を下回りました。子育て世代の女性就業率は7ポイント上昇し、新たに200万人の女性が就業しました。(2014年の総選挙で「2017年度末までに待機児童解消を目指す」と公約に掲げていたことは忘れてね~。それに「2万人を下回った」とはいえ、待機児童の集計から除外された「潜在的な待機児童」は約7万人近くいることは絶対に明らかにしたくないし~)
  4. 女性の視点が加わることにより、女性たちが活躍することにより、日本の景色は一変する。人口が減少する日本にあって、次なる成長の大きなエンジンです。(子育て中だからといって、家でゴロゴロなんて許しませんよ~)
  5. 障害者の皆さんにも、やりがいを感じながら、社会でその能力を発揮していただきたい。障害者雇用促進法を改正し、就労の拡大を更に進めます。(障害があっても補助金を当てにせず、とにかく働きましょう)
  6. 人生100年時代の到来は、大きなチャンスです。元気で意欲ある高齢者の方々に、その経験や知恵を社会で発揮していただくことができれば、日本はまだまだ成長できる。生涯現役の社会に向かって、65歳まで継続雇用することとしている現行制度を見直し、70歳まで就労機会を確保できるよう、この夏までに計画を策定し、実行に移します。(慣れてきたら年金は70歳まで出さないつもりだけど怒らないでね! もちろん、もっと先は75歳にするから、それよりはましでしょ~)
  7. 女性も男性も、お年寄りも若者も、障害や難病のある方も、全ての人に活躍の機会を作ることができれば、少子高齢化も必ずや克服できる。平成の、その先の時代に向かって、「一億総活躍社会」を、皆さん、共に、創り上げていこうではありませんか。(とにかく、国からお金を貰える人をなくすことに全力を注ぎますので、病気くらいで休まずに死ぬまで働いて税金を納めてくださいね。それが私が目指す「一億総労働社会」なので~す!)
  8. 早期にデフレではないという状況を作り、企業の設備投資は14兆円増加しました。20年間で最高となっています。(といってもこれはぜ~んぶ「大企業」の例であって、労働者ひとり当たりの実質賃金は減少し続けてマ~ス。しかも、統計なんていつでも偽装できちゃうし~)

 御清聴ありがとうございました。(いちいち福島みたいに反論しないで黙って言うこと聞いてね!)

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年3月)

第176号 最も信用できない職業とは?

 数年前、「信用できる職業&信用できない職業は何か?」というテーマで世界25か国の人々からアンケートを取った団体があり、その結果が発表されたことがあった。
 もちろん、世の中には数えきれないほどの職業が存在するし、働いている人は当然職業に誇りを持って取り組んでいるわけだが、世の中の目はなかなか厳しくて、どんなに偉そうなことを言っても、信用されない職業というのが存在するのである。

 さて気になるその結果だが、まず最も信頼できる職業から紹介すると、それは「消防士」でなんと25カ国中15カ国がトップであった。
 うーん、何となくピンとこない・・と思った人も多いだろう。
 そう、やはり日本ではトップは違う。
 日本をはじめ、お隣の韓国やオーストラリアで、ダントツ信頼できる職業は「看護師」だそうだ。
 白衣の天使などと称されることもある看護師は、時には医者と患者さんの板挟みになることもあろうが、コミュニケーション能力が高くないと務まらない仕事でもあり、看護師はとにかくまじめに一生懸命に仕事をしているイメージがあるからだろうか・・・。
 日本では、「医者」よりも「看護師」の方が信頼されているのが面白い。「医者はどうも信用ができない」という声を聞くことはよくあるが、「看護師は信用できない」という言葉は聞いたことがない。なるほどだ!
 ただ、国によって信頼できる職業は結構バラバラで、ケニア、南アフリカ、そしてインドネシアでは「医者」、スウェーデンは「救急救命士」、トルコでは「薬剤師」、インドでは「兵士」が信頼のおける職業として支持されているのだ。それぞれお国柄を反映しているのだろう。

 まあ、共通して言えることは、医療関係か、自己犠牲がともなう仕事だということで、弱っている人を救ってくれる正義の味方が信用できるのだろうか。

 面白いことに、国ごとに信頼度というのは結構違うもので、例えば「銀行員」の信頼度は、インドでは88%だったのに対し、スペインは14%と低い。スペインの銀行マンはよっぽどお金に汚いのかちょろまかすのか、笑ってしまう。

 さて、それでは気になる「最も信頼度の低い職業は何か」だが、なんとこちらはほとんどの国でトップ独走だから面白い。
 それはズバリ「政治家」だそうだ!

 アンケートを取ったのは25カ国だが、そのうちの23カ国が政治家をダントツ1位に挙げている。さすが、嘘つき政治家というのは世界共通なのだ。
 まあ、政情が安定している国なんて世界中どこを探してもないから、そう考えるとこれは当たり前の結果であると言わざるを得ないだろうし、汚職や賄賂などの噂が絶えず、公約を守らないし、保身のために動く――。こんなイメージが世界中で定着しているのかもしれない。

 おそらくこれを読んで「そのとおり」と頷いた人がほとんどだろう。私も同感である。というか、逆に「嘘しか言わない人たち」といっても過言ではないだろう。
 だって、私の知り合いの政治家なんて、「公約は破るためにあるのだ」と毎日うそぶいているほどだ。

 ということで、信頼度の低い職業はダントツで「政治家」だったが、しかし、調査した25か国中23か国が1位ということなので、驚くことに残りの2か国では「政治家」よりも信頼できない職業があるのが驚きだが、それは、インドネシアの「保険外交員・販売員」、スウェーデンの「販売員」だったそうだ。
 うーん、そうなのか、販売員ねえ・・・日本ではピンと来ないなあ~
 販売員がお金をちょろまかしたり、買ったものを全部渡さなかったりなど聞いたことはないし。
 いや待てよ! そういえば、昨日洋服を買ったのだが、可愛い女性店員さんは私に「とっても良くお似合いですよ~」とにこやかに笑ってくれたが・・・

 えっ、そういうことだったのか!!

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年2月)

第175号 外国人が街にやってきた!

 明けましておめでとうございますm(__)m
 今年も私の過激な毒舌コラムにお付き合いくださいねー!

 昨年末、また人口が減っているというニュースを見た人も多いだろう。そう、人口減が急速に進み、日本では人材不足が大きな問題となっているのだ。
 「人が集まらない」と嘆く企業も多く、人手不足による倒産や店じまいもあちらこちらで見え始めているのだ。
 そういった背景を受け、政府は昨年の11月2日に「入管法改正案」を閣議決定した。端的に言えば、「外国人労働者の数を増やし、国内の人材不足を解消しよう」という趣旨のものだが、実は、厚生労働省がまとめた「外国人雇用状況」によると、2018年10月末の時点で外国人はなんと約128万人が雇用されていて、毎年毎年、過去最高を更新しているのだ。
 だがしかし、今までの『外国人技能実習生制度』は、あくまで「外国人単純労働者」ではなく、「外国人実習生」として開発途上国等の経済発展を担う「人づくり」に協力してあげるという崇高な目的があり、永住はおろか、必ず5年で帰国していただくものだったのである。
 これでは、人手不足、いや人口減を補うことはできない。

 そこで今回の改正法では、新たに2つの在留資格が追加され、最終的には、在留期限は更新可能で何年でも何十年でも日本に居住できるようにしたのである。もちろん、家族の帯同もOKだ!
 何年でも住めて、働けて、家族ごと来れるって「移民」と同じじゃないのか?
 そうこれは実質「移民政策」の幕開けなのである。政府は「移民政策」とは絶対に認めようとしないが、間違いなく移民政策そのものだ。

 こうして、外国人を労働者として受け入れることによって、生産年齢人口減少に伴う労働力減少を補填し、都心部に偏る人口集中を是正すべく、地方での人材不足を補い、最終的に、人手不足による倒産や店じまいを防ごうとしているのである。
 実際、好景気と言われているが実はそれは上場企業だけの話で、日本は大不況の真っただ中なのである。特に人手不足が激しい「建設業」「サービス業」「製造業」での倒産は5年前に比べてなんと2.5倍に膨らんでいるのだ。

 やれやれ、もうこの法改正で日本も安泰なのだろうか?
 いや待てよ、職を求めてやってくる外国人はどちらかというと真面目に働く人が多いのではないだろうか?
 かつての高度経済成長期の日本は、今は死語となっている「モーレツ社員」「働きバチ」が当たり前で、とにかくまじめに良く働いた。ところが、今の日本人は楽な仕事ばかり好み、休むことばかり考えていて、怠け者がほとんどである。こんな怠け者の日本人よりも勤勉な外国人の方がいいに決まっている。しかも、給料も安いのだ。
 だから、間違いなく日本人よりも外国人を採用しようという流れが起きるだろう。そして、再度買い手市場に戻り、日本人の雇用環境の悪化に繋がるはずだ。
 そう、今回の法改正でも野党が反対していたのは、日本人の雇用機会の安定である。
 日本人のように、働くのは嫌いで、給料は高くて休みの多い仕事ばかり望み、「会社人間」なんてダサい象徴・・・という今の日本人労働者はドンドン職を失うことだろう。
 安価で、日本人は敬遠しがちな労働環境であっても抵抗なく就労する労働力と認識して外国人労働者を雇用する企業が増えることは間違いないし、日本政府のかじとりの下で「労働差別を禁じ」日本人と同等の条件、「同一労働 同一賃金」となるようなので、働けば働くほど給料が増え、認められて昇進もするとなれば、外国人のパワーは日本人を圧倒するだろう。

 しかし、私はこれこそが日本の将来にとって一番大事なことだと思う。
 かつて日本人は、勤勉でよく働く象徴だった。世界でも模範と言われたのである。その頃は経済発展も目覚ましく、企業もほとんど右肩上がりで伸び、世界でも何本の指に入る経済大国であった。
 今回の法改正で、外国人がやがて数千万人規模で入っているようになれば、日本人もうかうかしていられないと、かつての勤勉でよく働く日本人に戻っていくことだろう。
 もともと頭のいい人種なのだから、かつてのような日本人に戻れば、外国人に負けることはないはずだ。

 日本は島国で「移民」と言う言葉にアレルギーをもつ国民も多いから、日本中で犯罪が増え、暴動が起き、殺伐とした社会を想像する人も多いだろう。
 しかし、インターネットで全世界が繋がるこの世の中、生まれた国以外で暮らすという選択肢は誰もが考えておかしくないと思う。
 どうせマスコミが主導して、アレルギー反応的な世論の反発が起きるのは目に見えるが、きちんと管理された移民政策を取ることで、それらは回避されるはずである。

 そう、私なんか、ドン・キホーテで慣れている。
 あそこは日本であって日本でない。飛び交う言葉もほとんど外国語だし、お客も大半が外国人だ。
 だからといって、暴動が起きているか?万引きや喧嘩が当たり前か?
 いや、管理されたお店の中では、外国人もきちんとルールを守っているのだから。
 将来の日本はまさにドン・キホーテのような国家になるのだろう・・・。

 何なに?さすがにそれは小説「ドンキホーテ」と同じだって?
 確かに、ちょっと空想的すぎたかな・・・

特定非営利活動法人国際ボランティア事業団 理事長
田園調布学園大学 講師 福島 達也
(2019年1月)
過去のコラムはこちら(旧サイト)