福島達也理事長コラム
第74号 新公益法人制度がついにスタート
 いよいよ12月1日から新しい公益法人制度がスタートする。

 我々はこの制度に合わせて、セミナーやコンサルなどを随分前から開始し、準備して
きたので、大変感慨深いものがある。

 ただ、従来の制度は法人格の取得と公益性の判断、税制上の優遇措置が一体となっ
ていることが問題だということで法律を作り変えたわけだが、法人格の取得が簡便になっ
たのはあくまでも一般社団・財団法人であって、公益性の認定を得て公益社団・財団法人
になるのは、やはり至難の業であることが気になる。

 NPO法人が3万以上あっても、認定の厳しい「国税庁認定NPO法人」は100足らずであ
ることからもわかるように、設立の簡便な「一般法人」はうんと増えるが、認定の厳しい「公益
法人」はそれほど増えないのではないだろうか。

 従来の公益法人は2万5千あるが、予想以上に認定の基準が厳しく、新法の公益法人に
移行できるのはどう考えてもその半分弱だろうから、新規設立の公益法人と合わせても、今
とほとんど数的には変わらないかもしれない。

 そうなると、国の言う「民間が担う公益をわが国の経済社会システムの中で積極的に位置
づけ、その活動を推進する」というこの制度の狙いが果たして実現するのか大変疑問である。

 もしかしたら、悪用する団体だけが喜ぶような制度になるかもしれない。

 しかし、憂いてばかりはいられない。政権は変わろうとも制度はスタートするのだから、これを
正しい方向に導かなければ全く意味がない。

 今後この実現のために尽力することが、私の残された人生の中の仕事の大半になるだろう。

 その幕がいよいよ上がるのだ。熱いものがこみ上げてくる。




特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成20年11月)

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