福島達也理事長コラム
第70号 不況=NPO活性のチャンス
 また、ガソリンが値上がりした。今年に入って何回目だろうか。そして、この流れは止まらず、年内にリッター200円は間違いないという。毎日車に乗る私にとってはつらい話題なのだが、たばこを吸う人はもっとつらいかもしれない。

 何もかも値段がとどまることを知らずに上がっていき、下がるのは給料だけだという。

 私が昨年初めに予想したことが本当になってしまったようだ。米国のサブプライム問題以降、次第に世界経済の減速懸念は高まっている。

 その一方で、原油などの資源や穀物価格は上昇傾向を強め、企業業績の悪化が本格化すると、リストラなどによって雇用環境が一段と悪くなることが考えられる。そして、きっといつ暴動が起きてもおかしくない、第3次オイルショックがやってくるだろう。

こうした状況を考えると、当面、わが国の企業業績が大きく伸びることは期待し難いので、年初以降、企業業績の悪化懸念を反映して、わが国の労働市場全体で需給の緩和傾向が顕著になっている。

 失業率は増加の一途で、有効求人倍率は下降の一途だ。就職戦線も再び氷河期がおとずれるだろう。

 こうした中、NPOにはチャンスが訪れようとしているのだ。前回の不況時にNPOが延びたことは記憶に新しいはずだ。どうせ有名な企業に就職しても、いつ潰れてもおかしくないし、いつ辞めさせられてもおかしくないのであれば、世のため人のため、社会のための仕事を息長く続けていける方がよい。たとえ給料が安かろうと、自分を磨ける場所がほしい・・・という人がこういうときに現れるのだ。

 また、NPOというのは、もともと余分なお金を持たない仙人のような存在だ。自分達が食べられる程度で人のためになることをする。

 しかし、余分にお金を取らないということで、企業と同じことをすれば、確実に安くて心のこもったサービスを提供できるはずだ。そこに、不況に勝てるビジネスチャンスがあるのだ。

 今こそ、値上げ攻勢に惑わされず、良い人材を確保して、自分たちの価格を大事にし、最善のサービスに努めよう。そうすればきっと市民が頼りにしてくれるはずだ。

 不況=NPO活性。それを信じて頑張ろう!



特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成20年7月)

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