福島達也理事長コラム
第57号 NPOと団塊世代のマッチングは成功するのか
 NPOと団塊世代。お互いに関心を持っているが、一体どのようにして関わっていたらよいのかわからない・・・・という声を両方から聞く。

 そうなのだ、NPOにとって、やる気と行動力のある団塊世代は、スタッフとしてとても欲しい存在であり、ぜひ参加を呼びかけていきたいと考えているのだ。また、団塊世代も、第2の人生は、1円の利益を追い求めるのではなく、やりがいのある仕事をしたいと考えている。だから、お見合い結婚させれば必ず結ばれるものと思われていた。

 しかし、現実は甘くない。NPOはもともと資金がないので、ボランティアで参加してもらいたいと考え、団塊の世代は、NPOに大変興味があるが、年金もちゃんと支払われないうちから、まったく無報酬というのではとてもやっていけないと考えている場合が多い。

 結局、そのような状況から、全国各地で開催される団塊世代向けのNPO講座は、どこも閑古鳥のことが多いのだ。
 そこで、こんなアイデアを思いついた。それは、まずNPOは団塊世代に対して、今までのビジネス経験を生かして、収益を上げられるような企画を考えてもらうのだ。そして、その収益の一部を企画し、行動した人が給料としてもらえるようにする。そうすれば、社会のための活動というやりがいも感じるだろうし、お金を得られるという満足感も得られるだろう。

 そこで得た収益の一部は、他のミッション遂行に回せばいい。こうすれば、団塊の世代のアイデアや行動力を活用できるとともに、NPO自身も活性化していくではないか。これと同じようにして、今度は若い世代などにも同じビジネスモデルを考えてみよう。
 
手前味噌になるが、今月私の新刊「プロが教える・よくわかるNPO入門」が発売される。第2の人生や就職口としてNPOを考えている人やNPOに参加している人、さらに、どうもNPOを作ったけどうまくいかないという人たちに是非読んでもらいたい。そして、どうすればうまくいくのか、そのコツをつかんで欲しい。

特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成19年6月)

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