第36号 NPOと「協働」
 最近、どこの自治体でも、「市民協働」又は「NPO協働」が自治体の基本理念になりつつある。それに応じて、職員向けの研修を行い、NPOと行政が協働するための手法や考え方などを学んでいる。しかし、自治体によっては肝心の協働するNPOがまったく育っていない地域もあり、笛吹けど踊らずといった状況で、なんとももったいないと感じてしまうことがある。
 せっかく自治体が手を差し伸べているのだから、NPOはもっとそれに応えるべく、市民社会をガラッと変えるような企画をもって、果敢にチャレンジしてもらいたい。NPOがどんなことをしていて、何ができるのかなんて、自治体側から調査して、事務所にやってくることはないのだ。自分たちに何ができて、自分たちだったらこの町をこう変えていけるというプランを、どんどんぶつけて欲しい。今まさに自治体はそれを待っているのだ。
 もちろん、提案してすぐにそれが実現するということはないだろう。なぜなら行政というのは予算がすべてで、予算がないところに事業はない。通常、年度の予算というのは2月か3月に決まり、4月から翌年の3月までの分はそのときに決まってしまうのだ。もちろん、途中で補正予算を組んで修正することもあるが、できれば年度の予算に組み込んでもらいたい。そのためには、9月ごろが勝負となる。この時期に各部署から予算要望が出され、議会の要望や折衝を経て、12月頃までには予算の骨格が決まってしまうのだ。
 行政と協働して、町を変えていこうと考えているなら、是非動いてみよう。そして、自分たちのできることをアピールしてみよう。会報などを常に自治体にも配っている団体なら、理解を得られやすいはずだ。配ったことがないのなら、まずはそこからはじめればよい。 


特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成17年9月)

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