第9号 NPOに対する認識

 毎日、NPOに関するニュースを全国の新聞記事から集めているが、最近その掲載数の増加傾向が顕著である。全国紙大手4社にいたっては、NPOという文字の出ない日はない。それだけNPOが注目を集めているといえよう。というよりも、それだけ活動が活発になりつつあるのだ。しかし、それは相反すると大変なことになる。よく自衛隊員とか教師が万引きしたり、痴漢をしたりすると、それだけで全国紙の社会面にどーんと掲載されたりするが、NPOもそれに近いものがあるのだ。「不正に助成金を受けた」とか、「理事長が脅迫」「ボランティア団体でセクハラ」などという記事が、面白おかしく取り上げられるのである。そういう意味で社会の目は非常に厳しい。一つの間違ったNPOが日本全国のNPOに与える影響は計り知れないのだ。
 「NPOだから、真面目に、社会のため、市民のために働いて当然」であり、「外車に乗ったり」「ご馳走を食べたり」「ナイトクラブで打ち上げ」なんてけしからん・・・という風潮があるのも事実なのだ。まるで、「NPOはボロをまとって、麦飯を食え」ということなのであろうか。この傾向は所轄庁の申請の際にもよく見かける。人件費や役員報酬が高すぎるとか、ボーナスはけしからんとか、いったい自分たち公務員の給料はどうなのかと言いたくもなる。同じ公益的な仕事をしながら、随分と違うのではないだろうか。行政職員にはまだ「NPOは安く使える下請け」という概念が残っている。誠に残念でならない。私は、将来NPOが市民社会の担い手となり、NPOのほとんどが公務員並みの給料を出せるよう、とことん付き合っていきたいと思っている。

特定非営利活動法人 国際ボランティア事業団
理事長 福島 達也
(平成15年6月)

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